作成日:2004/08/12
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増え続ける老人医療費
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老人保健制度とは75歳(一定の障害のある人は65歳)以上の方と、昭和7年9月30日以前に生まれた方がお医者さんにかかるときに適用され(医療費の自己負担は1割、一定以上所得者は2割)、高齢者の医療費の負担を軽くし、安心して医療を受けられるようにするための制度です。
しかし今、この老人医療費が右肩上がりに伸び続け、保険財政は危機にさらされています。
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牛久市は45億円
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牛久市の老人保健対象者(昭和7年9月30日以前に生まれた方6,234人)の昨年3月から今年2月まで(平成15年度)の一年間の総医療費は45億円。単純に計算すると、これらの方一人ひとりに約72万円の医療費がかかったことになります。
この45億円という金額は病院の窓口で支払う一割(または二割)の自己負担金と、残りの九割(または八割)は国や県、牛久市の税金、サラリーマンなどが負担している社会保険料などがその支払いに充てられており、言い換えれば医療保険加入者一人ひとりが納める保険料(税)により運営されていると言えます。
老人保健対象者は、特に国民健康保険(国保)加入者が多いため、この医療費は直接、拠出金という形で国保に重くのしかかり、国保会計をも圧迫しています。
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牛久市の受給者
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表1からも分かるように牛久市の老人医療受給者は高齢化社会を反映して年々増加しており、この傾向は全国の市区町村においても同様のことが言えます。
また、表2では平成14年度の県内の主な市町村の人口における老人医療受給者の占める割合をみたものですが、牛久市は8.54%、県内の83市町村中80位と若い世代が多い街ということが分かります。
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※平成15年度は、老人保健の資格が70歳から75歳に年齢が引き上げられたことによる減です。
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(表2)県内83市町村中、主な市町村の全人口に占める老人医療受給者の割合<平成14年度>
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市町村 |
人口(人)
A |
老人受給者数(人)
B |
割合(%)
A/B×100 |
順位(位) |
水府村 |
6,218 |
1,698 |
27.31 |
1 |
大子町 |
23,321 |
5,745 |
24.63 |
5 |
土浦市 |
135,464 |
14,849 |
10.96 |
67 |
阿見町 |
47,175 |
4,854 |
10.29 |
70 |
取手市 |
81,118 |
7,567 |
9.33 |
77 |
龍ケ崎市 |
78,557 |
7,069 |
9.00 |
78 |
牛久市 |
74,829 |
6,387 |
8.54 |
80 |
つくば市 |
195,046 |
16,520 |
8.47 |
81 |
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高い医療費
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表3は、年間一人当たりいくらの医療費がかかったかを示す平成10年度からの推移ですが、平成12年度は介護保険制度の導入により、また平成14年度は制度の改正により、少し金額が減ってはいるものの毎年度70万円を超え、次第に増加傾向にあります。
表4は、平成14年度の医療費を県内の主な市町村と比較したものですが、県内で一番低い大子町と比べると一人当たり実に21万円の差があります。県内83市町村の中で牛久市の医療費は毎年度5位前後にランクされるなど、他市町村と比べ一人当たりに多くの医療費がかかっていることが分かります。
この老人医療費の伸びは牛久市にとどまることなく、日本全体の老人医療費についても同様のことが言えます。厚生労働省の予測では、日本の老人医療費は平成16年度で11兆5,000億円に、21年後の平成37年には約3倍の34兆円になると見込んでおり、今後少子化が進むと一人当たりの税金や保険料の負担は、さらに大きくなります。まずは高齢者の医療費を少しでも削減することが重要な課題となっています。
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(表4)県内83市町村中、主な市町村の老人医療受給者一人当たりの医療費<平成14年度>
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市町村 |
年間医療費(円) |
順位(位) |
つくば市 |
782,333 |
1 |
牛久市 |
706,736 |
5 |
土浦市 |
690,589 |
9 |
阿見町 |
676,363 |
13 |
龍ケ崎市 |
675,174 |
15 |
取手市 |
665,009 |
20 |
水府村 |
565,822 |
73 |
大子町 |
497,636 |
83 |
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30歳代と比べ、医療費は約4倍
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高齢者の医療費は、若い世代と比べて多くなるのは当然のことですが、特に高血圧症や糖尿病と呼ばれる生活習慣病や、治療に長い期間を要する慢性疾患の方が増加していること、また医学・医療技術の進歩により、新しい機器や薬などが開発され、これまで治療することが難しかった病気も治すことができるようになった反面、治療に要するコストが増加していること、さらに何度も病院を替えて受診(重複受診)したりする費用のかさむ医療の受け方をすることなどが、医療費を増加させている主な原因として挙げられています。
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私たちにできること…
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しかし、一人ひとりのちょっとした心掛けでこの急激な医療費の増加を緩やかにすることができます。まずは、お医者さんに上手にかかりましょう。
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○同じ病気で複数の病院を掛け持ち受診したりしてはいませんか?
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一つの病気でお医者さんをあちこち変えることは、それだけ受診した医療機関が増え、医療費の増加につながります。
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○緊急時以外、時間外や休日でもかまわず受診していませんか?
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時間外や休日の受診は加算料金がかかり医療費が増えます。
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○かかりつけのお医者さんを持っていますか?
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体調が悪くなったら、まず近所の「かかりつけ医」を受診しましょう。
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○定期健診を怠っていませんか?
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病気の早期発見・早期治療は重症化を防ぎ、医療費の節約につながります。健康診断を定期的に受けましょう。
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○適度な運動をしていますか?
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十分な睡眠、食事、そして適度な運動を心掛け、病気の予防に努めましょう。
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★ 安心して医療を受けられるよう、医療費の節減にご協力ください。
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問い合わせ 市医療年金課 電話029-873-2111(内線)1721

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