新春インタビュー

もうひとつ上へ

〜牛久市出身、20歳の小結 稀勢の里〜

　モンゴル出身の横綱朝青龍を筆頭に、大関白鵬(モンゴル)、同琴欧州(ブルガリア)など、外国人力士に注目が集まる相撲界。その中で日本人力士のホープとして、その活躍を期待されているのが、今年成人式を迎える牛久市出身の稀勢の里関(鳴戸部屋)です。
　平成16年5月場所、貴花田(現貴ノ花親方)に次ぐ史上2番目の若さで十両昇進を果たした稀勢の里関は昨年、三役(小結)に昇進、横綱から初白星を挙げるなど、6場所すべてで勝ち越し、順調に力を付けてきました。7日から始まる1月場所は、小結として迎える4場所目。さらなる飛躍を目指す稀勢の里関に今年の抱負を聞きました。

　・ 昨年は全場所で勝ち越しましたね。
　「勝ち越しは目標ですが、各場所にいくつか自滅した取り組みがあるので、もう1つ2つは勝ち星を増やせたと思います」

　 三役に昇進した年でしたが。
　「小結に昇進したのが7月場所だったので、その後9月、11月とありましたが、上2人(関脇陣)が強いので、(関脇に)上がれませんでした。もう少し星を上積みしないと…」

　 印象に残っている取り組みは。
　「やはり、9月場所の横綱朝青龍に初めて勝った一戦です。でも、その後の11月場所で悪い負け方をしたので…」

　 その11月場所の朝青龍戦で、横綱が立ち合いで変化しましたね。稀勢の里関をかなり警戒しているということだと思うんですが。
　「立ち合いの変化はまったく頭にありませんでした。でも、簡単にできるところが横綱のすごいところだと思います」

　 今後の「朝青龍対策」のようなものはあるのですか。
　「ありません。自分はそういうタイプではないので」

　 6月には「いばらき大使」に任命されましたね。
　「とても光栄です。自分が頑張ることで、少しでも茨城を有名にできればと思っています」

　 7月には「うしくかっぱ祭り」にも参加しましたが。
　「市民の皆さんに激励されました。応援していただいてとてもうれしいです。励みになりました」

　 正月の思い出は。
　「入門する前、中学3年の正月に鹿島神宮に初詣に行きました。鹿島神宮は勝負の神様ですので」

　 相撲部屋の正月はどんなものですか。
　「元旦は休みで、2日から稽古が始まります。新年会はありますが、1月場所が近いので、場所が終わってからが正月ですね」

　 今年は成人式ですね。大人の仲間入りの感想は。昨年7月で20歳になりましたが、お酒は？
　「あまり実感はありません。成人の日には、もう1月場所が始まっていますから。お酒は強くありません。すぐ赤くなるんです」

　 休みの日など、自分の時間はどう過ごしていますか。
　「主に体を休めることに使っています。あまり外出はしません。インドア派なんです」

　 今年の抱負を聞かせてください。
　「今年は勝ち星よりも番付を上げていきたいと思います。それには星を取りこぼさず、1つでも2つでも星を積み上げていかないといけません」

　 具体的な目標は。どんな相撲を目指しますか。
　「具体的に何勝とか、番付をどこまでとかいうのはありません。相撲については、自分はあくまでも押しが基本だと思うので、これまでと同じように前へ出る相撲を目指したいと思います」

　 横綱もそうでしたが、立ち合いで、まともに当たってこない力士が増えてきましたが。
　「立ち合いの変化を怖がると出足が止まってしまうので、これまでどおり、立ち合いでは『おもいっきり』いきたいと思います」

　 東京場所では牛久などから後援会員が応援に行ったりしていますが、そのときの声援は聞こえますか。
　「とてもよく聞こえていますよ。やっぱりうれしいものです。気合いが入りますね」

　 牛久市民の方々に一言。
　「皆さんに支えられているところが大きいと感じています。たくさんの方が応援してくれて、巡業にも牛久からわざわざ駆け付けてくれる方もいます。一生懸命頑張りますので、今年も応援よろしくお願いします」

稀勢の里関　全成績

通算成績　188勝 136敗