作成日:2005/02/28


話題 街にひろう


形あるものから平面へ

牛久現代美術展第10回記念企画 小中学校移動美術展

 牛久現代美術展実行委員会では、今年で第十回を迎えた牛久現代美術展の記念企画として、移動美術展を開催しています。
 この移動美術展は、展覧会場を固定せず、大人も子どもも美術に親しみ、市民すべての身近な楽しみとしてもらおうと市内各所で作品を展示しようというものです。
 この移動美術展の一環として二月十五日、牛久小学校(道口忠詩校長)で作品の展覧会と特別授業が行われました。画家の山田和枝氏と彫刻家の村上九十九氏が講師となり、同校の一年生八十四人が授業を受けました。授業では、さまざまな形の木片に絵の具を付け、その木片を転がしたり、滑らしたり、スタンプにしたりして、紙に絵を描きました。「形あるもの(木片)から平面(紙)へ、色という素材を写して作品を作る」(村上氏)というもの。参加した瀬理典さんは「木で絵を描いたのは初めて」と楽しそう。村上氏は「芸術は難しいものではない。絵で気持ちを表現する今回の授業が何かの役に立ってもらえたら」と話していました。
 この移動美術展は「小中学校移動美術展」として、牛久第一中学校、岡田小学校でも開催され、子どもたちが芸術に触れ合う機会を提供しています。(写真)完成した絵を掲げる牛久小の児童

 平成十五年十月から、国際協力機構(JICA)のシニア海外ボランティアとしてカンボジアに滞在している久保田徹さん(南)からお便りが届きました。今回から「シニアボランティアだより」と題して、数回にわたり連載します。

プノンペンからこんにちは 久保田 徹

 牛久市の皆様、お元気ですか。 私は、国際協力機構のシニア海外ボランティアとして、一昨年十月からカンボジアに来ています。プノンペン市郊外にある王立農業大学というところで、先生方を相手に土壌肥料学と土壌分析法を教えています。
 カンボジアは農業国ですが、稲の収穫量は一ヘクタール当たり約二トンと東南アジアで最低というように生産力が低い。瘠せた土、農業技術の遅れ、農村の貧困などネガティブの面が目立ちますが、一方、良質な果物、胡椒、コーヒーなどが作れます。国際経済に巻き込まれる中で国民が取り組んで行く課題がたくさんあります。
 大学では、長年農業試験研究に携わった経験をもとに講義することは大変楽しいものです。しかし、器具や施設がほとんどなく、停電もしばしば。しかも基礎学力の不十分な人たちに土の化学分析法を教えるのは骨が折れます。彼らの要望が強いので、わずかな予算を工夫しながらなんとかやってきました。これまで、土の肥沃度を判定し改良するために必要な分析項目のうち、窒素、リン酸など重要なものを七項目済ませ、十月の帰国までに残り数項目ができればよいと思います。幸い四十五年も前に身につけた比色法や滴定法、手作りの装置を用いる方法などがカンボジアの現状に合っていて、役立っています。
 さて、牛久市と往復するたびに、クリニックや市役所の方々、近所の皆様に、持病の手当てや転出入の手続き、また留守宅に気を配っていただくなど、家内共々大変お世話になっており感謝しております。お陰様で元気でやっております。このたび当地の様子をお伝えしたく筆をとりました。(つづく)
>1 >2 >3 >4 >5 >6 >7 >8 >9 >10 >11