作成日:2005/01/14


このままでは破たんの危機?


〜牛久市の厳しい財政事情〜

 地方分権が進められ地方の自立が求められる中で、地方の財政は国庫支出金や地方交付税の削減により、厳しさを増しています。また、各自治体が多様化する行政需要に競い合って対応してきたことも、歳出面での経常経費の増加につながり、財政を圧迫してきました。
 今後、牛久市はできることから改革の方向性を定め、その都度随時市民の皆さんにお知らせしていきますが、第1弾として、現時点においての当市の財政見通し、およびこれまでの改革の実績をお知らせします。

◎平成17年度から19年度の 財政見通し

 今回牛久市では、向こう3カ年の経常的な歳入・歳出の見込みを試算しました。これは、現行制度をそのまま引き継いだものと仮定した場合の推計です。従って、国の三位一体の改革などにより大きく変わることとなります。また、現在策定している行財政改革大綱により、改善していくこととなるものです。
 第1表は、牛久市の経常的な歳入歳出の見込みを示しています。歳出の上昇幅は、さほどでもありませんが、歳入が大きく落ち込んでいます。歳入減の要因としては、市税の落ち込み、および臨時財政対策債(地方交付税のうち普通交付税の肩代わり措置として発行される地方債。ただし、後年度において元利償還金が全額普通交付税に算入される)の段階的な削減があげられます。(第1表「歳入」中「1市税」および「5地方債」欄参照)
 また、第2表「主要建設事業費見通し」中(D)欄「一般財源」は、事務事業を実施する際に必要となるもので、通常(C)欄で求めた経常的経費歳入歳出差引額をこれに充てます。経常的な経費と主要建設事業費を合わせた今回の見通しでは、第3表に示すとおり、17年度11億4,200万円、18年度20億8,900万円、19年度29億7,800万円の不足が見込まれます。

牛久市の平成17年度〜19年度財政見通し(一般会計・試算)

平成16年10月

第1表 経常的な経費の決算見込み

単位:百万円

歳  入

H15年度決算のうち経常的収入 H16年度決算見込みのうち経常的収入 H17年度決算見込みのうち経常的収入 H18年度決算見込みのうち経常的収入 H19年度決算見込みのうち経常的収入

1.市税

10,552 10,359 10,304 9,808 9,593
2.譲与税・交付金 1,538 1,666 1,682 1,707 1,740
3.地方交付税 1,316 817 817 817 817
4.国庫支出金・県支出金 1,495 1,548 1,571 1,444 1,468
5.地方債 1,507 1,278 969 558 249
 減税補てん債 239 249 249 249 249
 臨時財政対策債 1,268 1,029 720 309 0
6.その他の収入 1,531 1,830 811 797 797
計(A)  17,938 17,498 16,154 15,130 14.664

歳  出

H15年度決算のうち経常的支出  H16年度決算見込みのうち経常的支出  H17年度決算見込みのうち経常的支出 H18年度決算見込みのうち経常的支出 H19年度決算見込みのうち経常的支出
1.人件費 3,994 4,100 4,169 4,141 4,262
2.物件費    3,572  3,684 3,684 3,684 3,684
3.扶助費 1,556  1,571 1,588 1,603 1,619
4.公債費 2,410  2,245 2,237 2,224 2,239
5.繰出金(下表の内訳参照)  1,857 2,158 2,197 2,256 2,216
6.その他の支出 2,616 2,995 2,489 2,506 2,523

計(B)

16,005 16,754 16,364 16,414 16,544
※ 平成16年度〜19年度の人件費見込みは、平成17年度経営計画の10月時点の基本条件で算定しており、勧奨退職などの減額要因を見込んでいないため、上昇傾向にあります。

* 上表、歳出の表 5「繰出金」内訳

会計名 H15年度
決算 
H16年度
決算見込み
H17年度
決算見込み
H18年度
決算見込み
H19年度
決算見込み
国民健康保険事業特別会計 475 681 742 782 823
公共下水道事業特別会計 718 763 651 663 549
青果市場事業特別会計 5 5 5 5 5
公共用地先行取得事業特別会計 43 41 40 0 0
市街地再開発事業特別会計 46 23 5 2 0
老人保健事業特別会計 268 293 307 319 342
介護保険事業特別会計 302 352 447 485 497
経常的経費(C)
歳入歳出差引額(A〜B)
1,933 744 △210 △1,283 △1,880

第2表 主要建設事業費見通し

単位:百万円

  H15年度
決算
H16年度
決算見込み
H17年度
決算見込み
H18年度
決算見込み
H19年度
決算見込み
事業費 / / 2,799 1,307 2,125
特定財源 / / 1,867 501 1,026
一般財源(D) / / 932 806 1,098

第3表 経常的な経費と主要建設事業費を合わせた不足額

単位:百万円

  H15年度
決算
H16年度
決算見込み
H17年度
決算見込み
H18年度
決算見込み
H19年度
決算見込み
歳入歳出差引額(C〜D)    / / △1,142 △2,089 △2,978

牛久市としての取り組み状況 〜改革の手始めとして〜

 この財政見通しを作成する前から、牛久市としては現市長就任後より、下記のような経費節減に取り組んできました。

1.平成16年度当初予算編成においての主な取り組み内容

単位:千円

1 市長給与30%カット △5,324
2 委託料 △85,865

植栽管理費の見直し

△6,453

ひたち野うしく駅駐輪場の管理経費見直し

△26,486

庁舎日常清掃の一部職員直営化

△14,463

その他経費の見直し

△38,463
3 使用料及び賃借料 △101,339

電算機器再リースの見直し

△44,940

地域イントラネット回線使用料の見直し

△13,071

その他経費の見直し

△43,328

2.平成16年度予算執行においての主な取り組み内容

 予算執行時点において、事務事業の内部管理経費を中心とした再確認・見直しなどを行いました。(平成16年11月17日現在)

単位:千円

1 再確認・見直しによる削減額 △179,214
2 入札差額金額 △188,278

3.市職員の手当などにかかわる主な取り組み内容

単位:千円

1 旅費日当の日帰り日当廃止 △6,000
2 住居手当見直し △7,000
3 退職時特別昇給の廃止(定年退職)  △1,612

○人件費全体(職員給料、手当、共済費(特別職含む))

※減の主な理由→・退職者10人、新規採用無し
人事院勧告に伴う給料表のマイナス改定による(平成16年12月)

単位:千円

    内 容 H15年度決算 H16年度見込 差額
1 給料 1,864,922 1,746,206 △118,716
2 手当 1,256,796 1,126,659 △130,137
3 共済費(臨時雇、嘱託職員などの社会保険料除く) 460,765 451,510 △9,255

注意していただきたい点

●市税について

・前記のように平成17年度以降の「三位一体の改革」に伴う国からの税源移譲は見込んでいません。

●その他の収入について

・繰入金…財政調整基金、減債基金繰入金は、家庭でいえば預金を下ろして日々の生活に充てるお金ですが、今回の見通しでは、状況により見込むとし、計上していません。

(参考)

平成16年度9月補正後残高見込み
・財政調整基金 7億9,759万2千円
・減債基金 10億467万円

今後の取り組み

 現在牛久市では、平成17年度経営計画を策定中ですが、このような財政見通しの中では前記のような取り組みだけでは大幅な財源不足に対応して予算編成を行うことは困難です。今後は国の三位一体の改革の状況を注視しながら、大胆な改革を行っていかなければなりません。その状況は先にも述べましたように、今後随時広報紙などでお知らせしていきます。

問い合わせ 市行政経営課 電話029-873-2111内線3301〜3303

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