作成日:2005/02/14


「秀逸賞」受賞おめでとう


平成16年度人権作文コンテスト土浦地区大会

 法務省では人権思想の普及と高揚を図るため、毎年「中学生の人権作文コンテスト」を実施しています。
 平成16年度は土浦法務局管内で今までで最も多い1503編の応募があり、作文の内容も大変充実しておりました。
 審査の結果、特に優れた20編が選ばれ、貝塚晴香さんが秀逸賞に輝きました。おめでとうございます。
 ノンフィクション「世界がもし百人の村だったら」のテレビを見て、地球の裏側に住む同世代の少年少女が住む家もなく、食べる物もない、親もいない。あまりにも悲惨な暮らしをわが身の幸せと置き換えて、深く心を痛めております。そして、どうしたらこの子どもたちが…。子どもたちの人間らしい暮らしはいつ来るのか、中学生らしい感性で純粋にとらえており、感銘深く思いました。
 この人権メッセージをより多くの方々に読んでいただき、人権尊重の輪が大きく広がっていくことを願っています。

牛久市人権擁護委員 茨城県子どもの人権専門委員 所    幸  

百聞、一見に如かず 牛久第二中学校 3年 貝塚 晴香さん

 これまで私は「人権」に対してあまりピンとくるものがなかったのですが、ある日、たまたま見た「世界がもし百人の村だったら」というテレビで、人権について考えさせられました。
 そこに出てきた少年や少女達は、私達と同じくらいの年齢なのに住む所も、食べる物も、親もいない子ばかりでした。ほとんどの子供たちが身勝手な親たちに捨てられてしまったそうです。捨て子なんてこの平成ではありえないのに、地球の裏側では普通に起きているのです。
 とある少年は、その激しい日常の中で亡くなってしまったり、とある少女達は私達と同じ年齢で妊娠して、母になろうとしている姿でした。なんと子供が子供を産むのです。生活していく上で、仕方のない事だと言っていました。そして、その少女達は自分達も一日ちゃんと「三食」食べる事が出来ないのに、大きなお腹をかかえて、普通に暮らしている人達の家をまわり、「ものごい」をするのです。わずかな食べ物を頂くと、そのわずかな食べ物を本当に少しずつちぎって、何人もいる子供達で分けるのです。中には、まだ1歳になるかならないかの子供もいました。本当なら、まだ学校に行って毎日楽しく、何の心配もない子供たちが、毎日の食べ物の心配、産まれてくる赤ちゃんへの心配をしているのです。
 私は、あまりの現実のむごさに知らないうちに涙が出ていました。
 その内容もすごかったけれど、もっと驚いた事は、生まれた時から「奴隷」の少女がいるのです。信じられませんでした。その家は貧しく、代々借金がついてまわってるそうです。紹介された少女は、9歳の子でした。彼女の住んでいる国は、今だに「奴隷制度」があり、たくさんの子供が幼い頃から朝6時から夜の11時頃まで、強制労働をさせられているのです。学校へは一度も行った事がないそうです。その国では、女性には学問が必要ないと思っているそうです。「男尊女卑」も激しい位の差別があるのです。
 何か今の自分たちの生活と比べると理解出来ない位のカルチャーショックになり、頭の中がパニックになりました。たんに「日本に生まれた私たちは、幸せなんだなあ」と思うだけでなく、この平成の時代にまだこんな悲惨な生活を送っている子供達がいる事を知り、どうしたらこの子供達を普通の子供達の様な生活を送る事が出来るのか、考えてみました。
 初めて、この日本でのあたり前の生活(三度の食事が食べられる、学校に行ける、寝る所がある、強制労働をさせられない、親と一緒に住める)が、その子供達に対して申し訳ないなあと思いました。早く世界中の子供達が、何の心配もなく笑顔で暮らせる日が来る事を願わずにはいられませんでした。自分の見た映像がノンフィクションなだけに、ショックも大きかったです。
 とにかく、全ての人が平等なのだから、こんな事は絶対にあってはならない事なのです。早く、この差別が無くなって欲しいと思いました。本当に考え深い内容でした。今回、この番組を見てなかったら、私は今の自分の幸せや平和を実感する事は、出来なかったと思います。そして、地球の裏側で今もなお頑張っている子供達の存在も知らなかったでしょう。早く地球上から戦争や嫌な事がなくなり、全人口の人達が何の心配も無く「幸せ」に暮らせる日が来る事を願っています。
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