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作成日:2006/10/31


市民特派員レポート

うしくの里はよいところ 〜残しておきたい文化財〜

広報うしく市民特派員 飯塚 寿子

無病息災と平安、五穀豊穰を願う数珠くり念仏

今日は彼岸の入りの前日です。桂の里の家々では、お団子を作り、仏前に供えたり、親類や知人に配って功徳にあやかります。
 そして、ここ東照山金剛院では、鐘と太鼓に合わせて「南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏」と唱えながら、70人近い善男善女で「数珠くり」が始まりました。やってみてなかなか難しく、ピーンと数珠を張って操れるところは地元の方、グニャッと曲がって操るところは初めての参詣者のようです。
 「数珠くり」の後の祭事がもう一仕事。上・中・下坪集落の各当番3人が長さ30メートル、1080個の桐の玉でできた数珠を束ねて担ぎ、集落を一軒ずつ回るのですが、その際、家の中を土足のまま通り抜けていきます。迎えた家では数珠玉に触って、体の治したい所をさするとご利益があると地元の方に伺いました。午前11時に出発しても全部の家を回り終えるのは夕方になるとのことでした。
 「南無阿弥陀仏」を唱えながらの「数珠くり念仏」とお団子を供えたり、振る舞う「団子念仏」、伝統行事というより安土・桃山時代ごろから根付いた地域文化と感じました。

数珠くり念仏

円になって念仏を唱えながら大きな数珠を回す

案内は牛久市観光アドバイザーと地元の長老の皆さん

 このたびの団子念仏・数珠くりに参加できたのは、牛久市ネットワーカー連絡協議会(村武修司会長)での市内探索会に始まります。自分たちの住む市でありながら、耳では聞いていても実際に見たことがない場所がたくさんあります。幸い会員の中に牛久市観光アドバイザーが2人在籍しており、今回は関口鉄夫氏に案内を依頼しました。
 桂地区にはほかにも、鎌倉権五郎景政墓碑、白旗山、矢の根神社、おみたらしの池、赤井橋、うつつ坂など、いろいろな史跡が点在しています。後世に伝えたい貴重な牛久市の財産です。

奥原・願名寺、釈迦涅槃図を拝見

涅槃図

幅約2m、長さ約3mの貴重な涅槃図

 願名寺には県指定文化財の彫刻「阿弥陀如来坐像」があり、寺の本尊として祭られています。如来はすべての仏の最上者と言われ、また民衆の信仰の対象となり市内にも多くの大日如来の石仏があります。
 長老が奥の部屋から長さ3メートルの木箱を持って来てくれました。特別に絵画「釈迦涅槃図」を拝見できたのです。この「釈迦涅槃図」は、仏聖釈尊が入滅の日(2月15日を涅槃と称す)に各寺院で壁画などにして仏道を説く、いわゆる絵解きに用いたものということです。また
この絵は、沙羅双樹の下で、今、永遠の涅槃に入った釈尊が金色の衣をまとって横たわり、その周りを囲むように生母マヤ夫人、シカ、キツネ、スズメなどのあらゆる動物が深い悲しみ慟哭する姿が描かれています。さらに箱書きには、天明4年甲辰稔7月朔日と記され、1784年
と年表で調べましたが、約220年前に冨山小兵衛氏、同淺之烝氏が寄進したようです。
 あらためて貴重なものを拝見させていただいたことを感じ、同時に文化財保護の必要性を考えなければ消滅してしまうのではないかと思いました。
 奥野地区の史跡、文化財の拝見は貴重な一日でした。
(注)
数珠くり念仏・団子念仏は、春は行わず、秋の彼岸の入り前日(9月19日)年1回のみ。どなたでも参詣できます。

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