作成日:2005/03/31


保健センター通信

市健康管理課(保健センター) 
電話029-873-2111

4月25日から医療機関検診が始まります

 平成17年4月から、成人検診の対象年齢などが一部変更となります。検査項目、料金、医療機関などの詳細は「すこやか」をご覧ください。

子宮がん検診…20歳から受診できるようになりました。

 子宮がんは、頚部(子宮の入口)がんと体部(子宮の内部)がんがあります。

症状

頚部がん…初期の頚部がんはまったく症状がないのが普通です。そのため、検診を定期的に受診し、異常を早期発見することがとても重要です。そして、早期に発見できれば、子宮を摘出せずに治すことが可能です。
・体部がん…症状が進行していない早期の段階で出血することが多く、不正性器出血での発見が約90%といわれています。そのほか、下腹部痛も出血に次ぐ症状です。

原因

・頚部がん…最近の研究では、ヒトパピローマウイルス(ヒト乳頭腫ウイルス・HPV)の一部が発がんに深く関与していることが分かってきました。このウイルスは、性感染症の一種です。性交渉をする年齢になれば、誰でも感染する可能性があります。また、性交渉の相手が多いほどリスクが高くなります。
・体部がん…未婚、妊娠・出産の経験がない、または少ない、動物性脂肪の摂取が多い、肥満などの項目が当てはまる方が子宮体部がんになりやすいといわれています。

最近の動向

 欧米をはじめ日本でも性交開始年齢の低下に伴い、子宮頚部がん発症年齢の低下が社会的な問題になってきています。ほかの臓器のがんは、年齢が高くなるのとともに罹患率(病気にかかる率)も増加しますが、子宮がんは全国的にも、また茨城県のデータをみても、20歳代から30歳代にかけて罹患率が増加するのが特徴です(右グラフ)。

子宮ガン 年齢階級別罹患率(茨城県)

検査方法

・子宮頚部…綿棒などで子宮頚部の粘膜の細胞を取り、顕微鏡で形を見ます。がんの前段階とみられる異常な細胞「異形成」の有無を調べる「細胞診」です。この細胞診は現在のところ、検診による子宮頚部がんの死亡率減少効果があるという研究結果が出ており、精度の高い検診手法です。体に負担はなく数分で終わります。
・子宮体部…市の検診では子宮頚部検診の際、医師が必要と認めた場合に実施しますが、不安な症状がある方は検診ではなく、早めに医療機関で受診しましょう。

精密検査

 もし「要精密検査」の結果が出た場合には、必ず医療機関を受診しましょう。前述しましたが、子宮頚部がんは早期に発見できれば、子宮を摘出せず完治が可能です。また、「異形成」の場合でも、がん化の可能性の低い場合もありますが、その後の経過観察や治療の計画を医師によく相談しましょう。

検診受診時期

 20歳を過ぎたら、年に1度子宮がん検診を受診しましょう。特に、これから子どもをつくりたいと考えている方、初回の妊婦健診をこれから受ける方は、ぜひ受診しましょう。母子健康手帳発行の際にも一緒に受診券を発行できます。(4月25日〜)

乳がん検診…医療機関で受診できるようになりました。

最近の動向

 近年、女性のライフスタイルの変化により、乳がん罹患率が増加しています。特に40〜50歳代に多く見られますが、最近では30歳代の患者が増えています。茨城県全体では20歳代後半から40歳代後半にかけて大きく増加しています(右グラフ)。特に40歳代の乳がん罹患率は、ほかの部位のがんと比べて高くなっています。

乳がん階級別罹患率(茨城県)

原因

 発症の因子としては、出産歴がない、高齢初産、早い初潮(11歳以下)や遅い閉経(55歳以上)、閉経後の肥満、長期間のホルモン療法、家族に乳がんになった人がいるなどの項目に当てはまる方が、乳がんになりやすいといわれています。

検査方法

 今年度から、医療機関で検診ができるようになります。12月に市保健センターでの集団検診も行いますが、日時の指定ができないので、ご都合の悪い方は、ぜひ医療機関検診をご利用ください。
 市では、左記のように各年齢に適切な検査内容で検診を行っています。

マンモグラフィ検査

 乳がんの死亡率減少効果があるということが科学的に確認されています。視触診では分からない早期がんの発見が可能となります。発見される乳がんの70%以上は早期がんで、乳房温存手術を受けることができます。

エコー検査

 視触診やマンモグラフィ検査では発見困難な非触知浸潤性乳がんの発見に対して有効とされています。
 今後も乳がんの罹患率は増加することが予想されているため、早期発見・予防のために乳がん検診を受けましょう。

年齢別乳がん検査内容

年齢区分

30〜39歳 40〜56歳 57歳以上

検査項目

エコー検査
(乳房超音波検査) 
毎年 毎年 なし
マンモグラフィ検査
(乳房X線検査)   
なし 2年に1回 2年に1回
※年齢は平成18年3月31日現在です。

骨粗しょう症検診…5歳の節目の年齢の方のみとなります。

 骨は「身体を支える」「臓器を守る」「骨髄で血液を作る」「カルシウムを蓄える」という重要な働きをしています。この重要な働きをしている骨が、密度が減り、軽石のようにスカスカになり、骨折しやすい状態が骨粗しょう症です。
 骨量は10歳代後半から20歳代に急激に増加し、最大値に達します。この最大値は40歳ごろまでは保たれますが、その後除々に低下していきます。特に女性は閉経後急激に減少してしまいます(右グラフ)。骨粗しょう症予防のためには、カルシウムの十分な摂取、運動、定期的なチェック(5年に1度)が必要です。骨量は、特別な病気以外では急激には減少しないため、30歳以上の5歳の節目(30・35・40・45…歳)の年齢(年度末年齢)の方のみが対象となります。対象となる方はぜひ、ご受診ください。
参考文献…「茨城県地域がん登録事業報告書(平成12年羅患集計)」
茨城県保健福祉部 茨城県健康科学センター

乳がん、子宮がん、骨粗しょう症検診 受診券発行期間

期間 4月25日(月)〜12月9日(金)午前9時〜午後5時 ※土・日・祝日は除く。
発行場所 市保健センター

問い合わせ

市保健センター(市健康管理課)  電話029-873-2111

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