牛久市版レッドデータブック追補版(植物編)の発刊について(2024年9月26日更新)
牛久市版レッドデータブック追補版(植物編)の発刊について
牛久市では、「牛久市の環境を守り育てる条例」や「牛久市環境基本計画」において、自然環境や生物多様性の保全を図るための施策を進めており、その一つとして平成18年に「牛久市版レッドデータブック<植物編>普及版」を刊行し、生態系や景観の保全並びに市民の皆様へ情報提供・啓発に努めてまいりました。しかし刊行から約10年が経過し、牛久市内の生態系にも様々な変化がみられることから、平成29年度の環境審議会において見直しの提案がなされました。これを受けて冊子発刊後に得られた情報に加え、牛久市域で希少種と考えられる植物および牛久市版レッドデータブックの評価と現状が異なる植物を対象に、NPO法人うしく里山の会と協働事業を組んで調査チームを編成し、平成29年11月から令和元年11月まで調査を行った結果を追補版として刊行しました。
レッドデータブックとは:市内に生育する植物(維管束植物*1)について、絶滅のおそれのある野生生物種の生育状況等をまとめた出版物のことを言います。今後は、野生生物種の保存への理解と各種事業計画等における配慮を求め、自然環境の保全に努めてまいります。*1 維管束植物:種子植物及びシダ植物
初版は平成15年度より3年間に渡って実施した調査の結果に基づき、確認されたそれぞれの種ごとに、その生育状況や保護上の留意点などを記載したものです。
追補版は平成29年11月から令和元年11月に渡って実施した調査の結果に基づき、分類分けはせず希少種として、その生育状況や保護上の留意点などを記載したものです。
1 目的及び経緯
本市では、絶滅のおそれがある野生動植物種の現状を把握し、希少野生動植物の適正な保全と地域の生態系保全の基礎資料とし、また、市民の環境学習や自然保護活動等に活用するため、平成15年度から希少野生動植物調査として、牛久市版レッドデータブックの作成作業を進めています。
レッドデータブックは、絶滅のおそれのある野生生物に関する理解を広めることを目的としたものであり、掲載種ごとにその選定理由、形態、分布の概要、生育環境や減少の要因及び保全上の留意点などを記載しています。
2 牛久市版レッドデータブックの特徴
調査結果をもとに、以下を刊行しました。
(1)牛久における絶滅のおそれのある野生生物(植物編) (平成17年1月)
A4版 口絵カラー印刷、本文白黒印刷、156ページ
特徴 (市内図書館・生涯学習センター・自然観察の森他で閲覧できます。)
・全ての掲載種について、選定理由、国内における分布及び生態的特性、市内における分布及び生育状況、減少要因および保全上の留意点等を詳細に記載してあります。
・市内の自然環境を保全するために重要な野生植物の現状と課題として、生育環境における現状と課題、種子繁殖特性や成長から見た問題点と課題、今後の課題に分けて詳しく解説しています。
・稀少な植物のみならず、今回の調査で確認された牛久市産野生維管束植物844種の目録、及び牛久市で見られたコケ類48種のリストを掲載しています。
(2)牛久市版レッドデータブック 牛久における絶滅のおそれのある野生生物(植物編) -普及版- (平成18年3月)
A5版 オールカラー、91ページ
特徴 (市内図書館他で閲覧できるほか、販売しております。販売方法は下記をご覧ください。)
・すべての掲載種をカラー写真で紹介しています。
・(1)の内容をコンパクトにまとめ、野外に持ち歩きできるサイズとしました。
リストを掲載しています。
(3)牛久における絶滅のおそれのある野生生物〈植物編普及版〉追補版調査報告書(令和2年3月)NEW
A4版 オールカラー、68ページ
特徴 (市内図書館・自然観察の森他で閲覧できます。)
・全ての掲載種について、国内における分布及び生態的特性、市内における分布及び生育状況、減少要因および保全上の留意点等を詳細に記載してあります。
・市内の自然環境を保全するために重要な野生植物の現状と課題として、生育環境における現状と課題、種子繁殖特性や成長から見た問題点と課題、今後の課題に分けて詳しく解説しています。
・稀少な植物のみならず、今回の調査で確認された43種のリストを掲載しています。
(4)牛久市版レットデータブック追補版 牛久における絶滅のおそれのある野生生物〈植物編普及版〉(令和2年3月)NEW
A5版 オールカラー、103ページ
特徴 (市内図書館他で閲覧できるほか、販売しております。販売方法は下記をご覧ください。)
・すべての掲載種をカラー写真で紹介しています。
・(3)の内容をコンパクトにまとめ、野外に持ち歩きできるサイズとしました。
3 牛久市版レッドデータブック(植物編)の概要
牛久市版レッドデータブック(植物編)に掲載された種数は、表1の通りです。このレッドデータブックでは、絶滅のおそれのある種の数は71科176種であり、市内の在来自生植物(暫定値約700種)のおよそ25%に相当します。そのうち絶滅もしくは野生絶滅と判断されたものはオニバス,クマガイソウを始めとする24種でした。その内訳は、双子葉植物17種、単子葉植物5種、シダ植物2種でした。 また、絶滅のおそれのある種(絶滅危惧I類、II類)と判断されたものは103種であり、今回確認された在来自生植物のおよそ15%に相当します。絶滅のおそれのある種と判断したものの内訳は、双子葉植物69種、単子葉植物25種、シダ植物9種でした。
また、準絶滅危惧と判断したものは合計38種、情報不足としたものは11種でした。
掲載されたすべての植物種をまとめると、双子葉植物が112種、単子葉植物が35種、シダ植物が24種となりました。
評価区分 | 絶滅 (EX) |
野生 絶滅 (E) |
絶滅の恐れのある種 | 準絶滅危惧 (NT) |
情報不足 (DD) |
合計 | ||
絶滅危惧 IA類(CR) |
絶滅危惧 IB類(EN) |
絶滅危惧 II類(VU) |
||||||
掲載種数 | 18 | 6 | 18 | 34 | 51 | 38 | 11 | 176 |
103 |
4 評価方法及び基準
なお、コケ植物については、維管束植物と同程度の定量的な評価は困難であったため、収集された情報をもとに、巻末にリストのみ収録しています。
評価点 項目 |
4 | 3 | 2 | 1 |
個体数 | 1~3 | 4~10 | 100未満 | 100以上 |
集団数 | 1 | 2~3 | 4~6 | 7以上 |
生育環境の減少傾向 | 著しく減少 | やや減少 | 増減なし | 増加 |
人為的圧力(採集圧・ 開発圧)の程度 |
極めて強い | 強い | あり | なし |
地域固有性 | 強い | やや強い | 弱い | なし |
5 閲覧・入手方法
レッドデータブックは、市役所、市立図書館等で閲覧サービスを提供するとともに、普及版初版並びに追補版を販売しております。閲覧および入手方法は以下のとおりです。
牛久市版レッドデータブック(植物編)の閲覧および入手方法
|
(1)閲覧できる場所 ・牛久市立中央図書館 ・中央、三日月橋、奥野の各生涯学習センター ・牛久自然観察の森 |
(2)販売について(普及版のみ) (1)初版 ・牛久市役所 都市計画課(窓口のみでの販売となります) ・価格 1部 1,200円(税込み) (2)追補版 ・牛久市役所 都市計画課(窓口のみでの販売となります) ・価格 1部 1,350円(税込み) |
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このページに関するお問い合わせは都市計画課です。
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電話番号:029-873-2111(内線2521~2524) ファックス番号:029-871-1956
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