作成日:2004/09/14



牛久市の国保税って高いの? 近隣市町村の国保税を比較してみると…

 国保に加入している方には、すべて国保税が課税されることはご存じだと思います。例えば、会社などの社会保険に入っている方でいえば保険料に当たります。国保税は、今話題の国民年金とは違い、市町村ごとに算定方法は異なり、一律の税額ではありません。今までなじみの薄かった保険税の算定方法を知れば、国保がより身近なものになるかも知れません。
 ところで、牛久市の国保税額は周りの自治体と比べて、高いのでしょうか。それとも安いのでしょうか?

国保税の算定方法

 国保税の算定方法をご存じでしょうか。国保税は各自治体の条例によって定められていますので、各自治体で税額は異なります。窓口でよく「一律いくらかかりますか?」とか、「牛久市の国保税は高くないですか?」などの質問を受けます。国保税の算定方法を簡単に説明しますので、次ページの国保税算定例をご覧ください。
 国保税の算定は、まず各保険者(自治体)において、被保険者(国保加入者)に保険税として課税する賦課総額を決定します。それを所得に応じて賦課する部分(所得割)、資産に応じて賦課する部分(資産割)、被保険者一人当たり均等に賦課する部分(均等割)、1世帯当たり均等に賦課する部分(平等割)に按分します。それぞれの割合は各自治体で定めることができます。なお、資産割や平等割を課税しない市町村もあります。しかし按分ですので、その分、所得割や均等割が増加するのは当然です。
 分かりやすく言うと、皆さんの前年の所得がいくらか、土地・家屋を持っているか、加入人数は何人か、などの条件で税額を決定していくのです。
 これら四つの算定基礎を基本として、公平に国保税が決定され、年九回の納期限に納税していただくことになります。そのため、国保税は各世帯の所得状況、資産状況、家族構成によって異なることはご理解いただけると思います。

牛久市の国保税は高い?

 それでは表1を基に、具体的な例を挙げて近隣の自治体と比較をしてみましょう。例えば、年間の所得が100万円で一人暮らし、固定資産(土地・家屋)のない20歳代の方がいるとします。
 この方が牛久市の国保に加入すると年額約7万8千円かかります。同じ方が龍ケ崎市で加入すると約9万9千円、土浦市では約9万8千円、阿見町では約9万1千円、つくば市では約9万円、そして取手市では約8万6千円となります。ちなみに、県平均の税率で算定すると約8万8千円となります。このようなモデルケースでは、近隣6市町の中で牛久市の国保税が一番安いのです。
 次に別のケース、45歳の夫婦で子どもが2人、夫の所得が400万円で固定資産税が10万円、妻の所得が30万円と仮定してみます(国保税算定例参照)。この方が牛久市の国保に加入すると年額41万1千5百円かかります。土浦市では約51万3千円、龍ケ崎市では約49万5千円、つくば市では約45万3千円、取手市、阿見町では約42万2千円となります。県平均の税率で算定すると約45万1千円となり、やはり牛久市が一番安くなります。
 ただし、算定金額は上記のようにさまざまな条件で変わってきますので、異なる家族構成、年齢(40歳〜64歳までは介護保険料分も合わせて課税されます)、所得などで算定すると税額は変わってきます。そのため、一概に牛久市の国保税が高い安いと決めるのは難しいと言えます。なお、お断りするまでもなく、今回取り上げた二つのケースについて、故意に牛久市が他自治体と比べて安い階層を例示したものではありません。

税率改正の推移

 牛久市の国保税は、近隣と比較して若干ではありますが、低く抑えられていました。これは、一般会計からの赤字補てんをしてきたため、国保税率を上げずに済んでいたからです。税率改正の推移は表2をご覧いただければ分かると思います。
 牛久市では平成8年の改正以来、国保税率が据え置かれています。

国保税の軽減をご存じですか?

 所得の申告をされている方で、一定の所得以下の世帯は、保険税の軽減を受けられる場合があります。例えば、一人世帯の場合、所得が33万円以下ならば6割軽減、2人世帯の場合、所得が57万5千円以下の場合には4割軽減に該当する場合があります。もし、一人世帯で算定した国保税が3万2千円ならば、6割軽減されると、年額1万2千8百円に減額されます。このようなこともありますので、所得がない方であっても必ず申告をしてください。

(表1)近隣市町村の国保税算定基礎

市町村 医療分 介護分
所得割(%) 資産割(%) 均等割(円) 平等割(円) 所得割(%) 資産割(%) 均等割(円) 平等割(円)
牛久市 6.9 35 15,000 17,000 0.8 8,500
土浦市 8.6 30 18,700 21,400 1.31 5.7 6,500 4,100
つくば市 7.4 32 20,000 20,000 0.87 5.3 5,000 2,500
龍ケ崎市 7.9 23.1 22,500 24,000 1.25 11,000
取手市 7.5 13 17,000 18,500 0.8 9,000
阿見町 6 35 23,000 28,000 0.8 8,700
県内市町村平均 7.12 39.48 19,762 20,962 0.76 5.35 6,516 3,625
※県内市町村平均は平成14年度、そのほかは平成16年度のもの。

【国保税算定例】(夫婦と子ども2人の4人家族の場合)

◎所得割

所得合計額
(夫) 4,000,000円 〜 330,000円 = 3,670,000円… (課税総所得金額)
(妻) 300,000円 〜 330,000円 = 0
・医療分 3,670,000円 × 6.9% = 253,230円 … @
・介護分 3,670,000円 × 0.8% = 29,360円 … A
※所得割の算定の際、33万円の基礎控除があります。
※医療分とは、国保の保険税分です。
※介護分とは、介護納付金のことで、国保加入者のうち40〜64歳の方のみ国保税に上乗せして、一体的に賦課徴収されます。

◎資産割〔都市計画税は除く〕

固定資産税100,000円 × 35% = 35,000円 …B

◎均等割

・医療分 4人 × 15,000 = 60,000円 … C
・介護分 2人 × 8,500 = 17,000円 … D
※医療分は夫婦2人、子ども2人で合計4人かかります。
※介護分はこの例の場合、夫婦2人分かかります。

◎平等割

1世帯当たり、年間17,000円 … E
※加入人数にかかわらず、1世帯当たり年間17,000円です。

●年税額

・医療分 @ + B + C + E = 365,230円
・介護分 A + D = 46,360円
以上の計算から算出すると、
合計 411,500円 ※100円未満は切り捨てとなります。

(表2)牛久市の国保税改正状況

改正年 医療分
所得割(%) 資産割(%) 均等割(円) 平等割(円)
昭和58年以前 4.2 35 6,600 9,000
昭和59年改正 3.9 25 6,600 9,000
昭和61年改正 5.0 30 7,800 10,200
昭和62年改正 5.9 32 9,000 12,000
平成元年改正 6.35 34 9,000 12,000
平成3年改正 6.35 42 11,000 14,000
平成8年改正 6.9 35 15,000 17,000
 ※介護分は表1のとおり。平成12年から賦課開始し、改正はなし。

問い合わせ 市医療年金課 電話029-873-2111(内線)1725

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