平成17年は酉年です。十二支の動物の中で、唯一の鳥類です。
干支の「酉」は「ニワトリ」のこと。単に鳥というとニワトリ(鶏)を思い浮かべる人も多いようですが、ニワトリは人間と最もなじみの深い鳥といえます。
ニワトリ(鶏)に関することわざや慣用句は、あまり聞きません。
「鶏口となるも牛後となるなかれ」は、鶏を小さな組織、牛を大きな組織にたとえて、大きな組織の属員になるよりは、小さな組織でもその頭となることの方がよい、の意味。小さくとも勇ましい鶏の姿が思い浮かびます。
一方、「鳥」に関することわざ・慣用句は、いくつかありそうです。
「籠の鳥」は、籠に入れられた鳥は飛ぶに飛べないところから、自由を奪われていること。または、そのような境遇にある人。「空飛ぶ鳥も落とす(飛ぶ鳥を落とす)」は、空を飛んでいる鳥も落とすほど威力があるさまのたとえ。打ち落とされる鳥といえば「一石二鳥」。一つの石を投げて二羽の鳥を同時に打ち落とす意から、一つの行為によって同時に二つの利益を得ることの意味。「閑古鳥が鳴く」は、貧しくてぴいぴいしているさま。また、商売などがはやらないさまをいいます。閑古鳥を追い払い、今年こそ本格的な景気回復でたくさんの御利益を、といきたいものです。
ニワトリといえば卵です。卵そのものを調理したものや、パンや菓子など卵を原材料として用いている食品を含めれば、卵が私たちの食卓を飾らない日はないといってもいいでしょう。
その卵を、日本人は一年間にどのくらい食べているのかご存じですか。過去の世界統計などによると、日本人は一人当たり年間300個以上消費しており、これは世界でもトップクラスです。ニワトリにはずいぶんお世話になっているわけですね。
「鶏鳴」という言葉があるように、ニワトリの鳴くころといえば明け方近く。朝を迎えるための合図でもあったニワトリの鳴き声を聞く機会は、昔に比べて少なくなったといえます。鳴き声どころか最近は、その姿を見掛けることも少なくなりました。昔は農家の庭先などで飼われていて、文字どおり「ニワトリ」でした。現在は鶏舎などで飼われることが多いため、身近に触れる機会も少なくなってしまいました。
昨年は鳥インフルエンザによる感染が問題となり、養鶏農家や私たちの日常生活に大きな影響を及ぼしました。今年はそうした問題が起きないよう祈りたいものです。
ともあれ今年一年、よい年でありますように。
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