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草の根活動のエネルギーに感動!


環境に取り組む仲間・牛久に集う  広報うしく市民特派員 小原靖三

県南環境フォーラム開催

 『環境問題に取り組む仲間たち!もっと交流の場を広げませんか』…。10月19日、「県南環境フォーラム」が牛久クリーンセンターで開催された。茨城県南地域は、都市化や産業構造の変化により環境の改変が進んでおり、県は環境基本計画の見直しを進めているが、その時流の中で、主催者の特定非営利活動法人つくば環境フォーラムが「行政と県民・企業の対等なパートナーシップの強化」を目的に呼び掛けたものである。会場は熟年と女性を中心に、70人を超す参加者で熱気にあふれていた。

活動事例紹介

 阿見・里山ワンダーランドの会の「ワッカクル里山自然公園づくり」、守谷市の常総生活協同組合の「菜の花プロジェクト」、県生活環境部環境政策課の「環境にやさしい買い物運動推進キャンペーン」の三つの活動事例が報告された。最初の発表のタイトルにある “ワッカクル”という言葉は、何となく響きがよく興味が引き付けられたが、実は「若栗(ワカクリ)」の地名のなまりと、アイヌ語の「ワッカクル」で清水のわく所という意味の二説があるそうだ。対象となった地域は、大きな雑木林と荒れた谷津田。昔は清水が流れ、手入れされていた林も、近年はごみが捨てられ、荒れ放題の状態だった。危険を防止し、ごみを捨てられないようにと考え付いたのが、子どもたちが自由に遊べる里山公園づくりである。一年以上前から活動を開始し、会員六十人のうち都合のつく者が、日曜日ごとに整備作業に取り組んでいるそうだ。いまだ進行中の大変な事業だと思うが、会員には製材屋さんや植木屋さんも参加しており、活動のスケールの大きさ、メンバーの多様性と膨大なエネルギーには大きな感動を覚えた。二番目の利根川河川敷一面に菜の花畑を実現し、健康に安全な油作りにチャレンジする活動も素晴らしいと思う。

ポスターセッション・交流会

 ポスターセッションの参加は二十四団体。大半が非営利組織(NPO)で、他に自治体、大学、企業が一部混在していた。市からは市環境衛生課、牛久市家庭排水浄化推進協議会、県環境カウンセラー協会、NPOエコライフ、木とふれあうネットワーク、自然観察会「しらかし」、NPO法人アサザ基金が参加しており、『環境の街』の面目躍如たるものがあった。模造紙へ手書きのビラが大半であったが、いかにも一般市民の草の根活動発表にふさわしいほのぼのとした、しかも生き生きとした雰囲気の伝わるものであった。活動地域は離れていても、お互いに、実践に裏付けされた考え方や抱える悩みは共通部分が多く、また、里山保護など共通テーマに取り組む団体もあり、展示ビラの前ではあちこちで活発な質問がなされたり、和やかな話し合いの輪ができていた。

連携を活動強化に

 今回のフォーラムは、地道な環境活動の連携を強めようという主旨通り、大きな意義と成果が上がったように思う。行政の指導にとどまらず、市民グループが相互に情報と意見を直接交換することを通して、活動がより活性化することが望ましいことである。筆者にとっても有意義な学びの場となった。環境問題は、国や県の行政が一般市民や企業・大学などと対等なパートナーシップを築かなければ、解決が難しい大きな課題である。今後も、このような発表や交流の機会がますます増えることを期待したい。

活動報告に聞き入る(発表会場) 手作りのビラに見入る(ポスターセッション会場)

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