法務省と全国人権擁護委員連合会は、人権尊重思想の普及高揚を図るための啓発活動の一環として「全国中学生人権作文コンテスト」を実施しています。次代を担う中学生に人権問題についての作文を書いてもらうことで、人権尊重の重要性や必要性についての理解を深めると共に、豊かな人権感覚を身に付けてもらうことを目的としています。
本年度は、土浦地区内の41校、1,389人から作品が寄せられました。その中から「秀逸作」に輝いた大橋正輝君(牛久三中)の「戦争について思うこと」と題した作品を紹介します。
戦争を知らない世代の大橋さんが、戦争について考えたことや感じたことをこれだけ立派に文章にまとめられたことに、まず心を打たれました。文章の構成も素晴らしく、表現も無駄なく、みな生きていると思いました。特に大橋君のおじいさんが2人のお兄さんを戦争で亡くしたときの、そのお母さんの悲しみの様子や、おじいさんが戦場で戦わずに戦友を失っていった話、疎開先で見た恐ろしい東京大空襲のおばあさんの話などが、ごく自然体で書かれていますが、戦争の悲惨さが深く、悲しく伝わってきました。また、大橋君は広く世界に目を開き、忘れることのできないアメリカのテロ事件やアフガニスタンの悲惨な報道に、まだまだ消えることのない戦争の影。「平和を求めるためにはどうしたらよいのか」。中学生の純粋な感覚としてとらえているのが立派だと思いました。
この「人権メッセージ」をより多くの方々に読んでいただき、人権尊重の輪が大きく広がっていくことを願っています。
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