○牛久市中高層建築物に係る紛争防止要綱
昭和60年4月27日
要綱第1号
(目的)
第1条 この要綱は、中高層建築物の建築により生じる工事公害、テレビ電波受信障害、日照障害、環境破壊等の諸問題に対処するため、建築計画の事前協議、事業公開、事前説明により事業者と地域住民間に発生を予期させる紛争を両者の協力をもって調整し、地域の良好で健康的な住環境を確立することを目的とする。
(1) 「事業者」とは、建築主、建築関係申請代理人、工事施工者、販売者、管理者をいう。
(2) 「近隣関係住民」とは、建築物の敷地境界線から当該建築物の高さの2倍の水平距離の範囲内に存置する土地又は建築物に関し権利を有する者及び居住する者、当該建設事業によって生じる騒音、振動等の影響を著しく受けると認められる者、また日照、電波障害、地下水問題等の影響を受けると認められる者をいう。
(3) 「公共公益施設」とは、牛久市開発行為指導要綱(昭和58年告示第47号)による。
2 その他建築に関する用語は、建築基準法(昭和25年法律第201号)、建築基準法施行令(昭和25年政令第338号)による。
(1) 建築物の高さが10メートルを超える建設事業
(2) 集団的住宅が25戸以上の建設事業
(事業公開)
第5条 当該事業を計画する者は、その概要を公開するものとし、その方法は次の各号のとおりとする。
(2) 前号の標識は、当該敷地の接続道路、進入路につき各々設置し、その期間は工事完了までとする。
(事前説明)
第6条 事業者は、前条の措置を講じたのち、速やかに次の説明会を開催し措置しなければならない。ただし、事業の規模、用途によっては事前説明を省略することができるものとする。
(1) 事業者は、近隣関係住民に影響を及ぼすおそれのある事項についての紛争を生じないよう努めその措置方法等について同意を得ること。
(2) 事業者は、前号の説明会方法として個別の話し合いを避け、近隣関係住民の代表若しくはその全てと協議する様努めること。
(3) 事業者は、説明会の内容、対策、承諾等の事項を明記した報告書を市長に提出すること。
(基本理念)
第7条 事業者及び近隣関係住民は当該事業に関し協議、調整、同意する場合、各々次の各号理念を基調として住みよい街づくりの推進に寄与する様努めるものとする。
(1) 事業者は、近隣関係住民と誠意をもって話し合い、地域の自主性、多様性を尊重し、周辺の建築物及び地域環境が形成する集団的景観を創造していくことを基調とする。
(2) 近隣関係住民は、個別に事業者と接することを避け、区長等による住民の発意と創意に基づく意見要望の取りまとめを積極的に行い、地域の歴史、文化、環境的資源を活用した住環境整備の促進を図ることを基調とする。
(協定・規約)
第8条 事業者は、必要に応じ次の各号の協定又は規約を文書にして関係者に配布すると共に市長へ提出すること。
(1) 第6条に定める説明会を開催し、近隣関係住民と協議、調整した結果、後日のために双方が必要と認めた事項についての協定
(2) 電波障害等について、その対策方法として共同施設を置く場合は、当該施設の維持管理(組織体制、管理費の運営等)に関する規約
(3) 事業者、近隣関係住民及び市長との協議が済み公共公益施設を設置、施工するものの内、事業者の責任により維持管理するものに関する規約
(4) 前各号の内容及びピアノ、拡声器等の使用を配慮し周辺環境との調和を推進する内容を盛り込んだ団地内管理規約
(環境保全及び災害防止)
第9条 事業者は、事業の施行に際し安全対策をその責任において行い、災害発生時には速やかに対処し、関係法令を厳守し、必要な手続を行うと共に次の各号の基準により環境の保全をすること。
(1) 日照・日影について事業者は、中高層建築物を建築しようとする場合、建築基準法、茨城県建築基準条例(昭和36年茨城県条例第21号)の規制により計画し建築により生じる日影について近隣関係住民との間に紛争が生じないようにしなければならない。
(2) 電波障害について事業者は、「茨城県中高層建築物によるテレビ映像障害に関する指導要綱」(昭和54年4月1日)を遵守するとともに、障害対策として必要な施設は事業者の負担により設置し、事業施工中の障害に対しても事業者の責任において必要な措置を講ずること。
(3) 事業者は、風通しの遮蔽とビル風について、建築物の最高の高さの10倍を超えない範囲を基準としその影響を調査すること。また、事業者はその責任において必要な措置を講ずること。
(4) 事業者は、工事施工の過程において事業の責に帰すべき理由により、損害を及ぼした場合は速やかに原状回復又は補償に当たるものとする。
(5) 建築事業の完了までに、環境破壊等の問題が生じた場合、事業者は、その住民に係る環境改善の措置を講ずること。
(公共公益施設)
第10条 事業者は、事業の影響を及ぼす地域の環境保全、環境整備に資することを目的に次の各号による公共公益施設の計画及び整備を図ることとする。
(1) 事業者は、事業規模、用途、周辺公共公益施設の整備状況及び計画等について考慮し必要な公共公益施設の設置又は措置を講じること。
(2) 当該施設について関係機関と協議すると共に周辺住民への影響に配慮し、迷惑を及ぼさないようにすること。
(施設の帰属、管理)
第11条 公共公益施設は関係機関と協議し、その維持管理の責任範囲を明確にするとともに帰属するものは事業者の負担により必要な手続、管理を行うものとする。
(紛争防止措置)
第12条 市長は、必要に応じて事業者と近隣関係住民間の紛争防止を目的に次の各号のとおり措置するものとする。
(1) この要綱に従わない事業者に対して市長は必要な措置を講じるものとする。
(2) 事業者と近隣関係住民間の紛争が重大であると認められる場合、市長は事業者に対し工事着手の延期を求め、その内容を公表するものとする。
(その他)
第13条 市長は、事前協議申請書を受理したとき必要に応じて土地利用合理化協議会に諮問するものとする。
2 この要綱による細部協議は、各窓口主管部課及び関係機関において行うものとする。
3 事業者は、当該事業がこの要綱に定めのない法規の措置、手続を必要とする場合は、事業者の責任において速やかに対処するものとする。
4 中高層建築物の名称は、市名及び行政区域の名称を避け、地名地番の認知を混乱させないものとする。
5 この要綱により難いもの又は、定めのないものについてはその都度市長が別に定める。
附則
この要綱は、公布の日から施行する。
附則(昭和61年要綱第2号)
この要綱は、昭和61年6月1日から施行する。