市政情報

平成21年度 諮問第13号/答申(2017年4月14日更新)

諮問第13号における答申内容

「公有地拡大推進法に係る届出書」の一部非公開処分に対する異議申立てに関する答申
(諮問第13号)
○情報公開請求に係る不服申立諮問書に対する情報公開・個人情報保護審査会の答申

  「平成21年7月16日牛久市甲第2658号公開決定に対する異議申立に対し、本件異議申立に係る情報は公開すべきものと思料する。」

  本件諮問は、牛久市が、異議申立人から平成21年6月25日付けで請求のあった、「小坂城址に係る地権者の公有地拡大推進法に係る届出書の写し」(以下、「本件文書」という。)の情報公開につき、平成21年7月16日牛久市甲第2658号公開決定(以下、「本件決定」という。)により、譲渡予定価格部分を非公開としたことに対して、異議申立人より本件異議申立がなされたことによるものである。

  当審査会は、関係資料及び関係法令を慎重に検討し、かつ議論を尽くした結果、本件文書における譲渡予定価格情報は、関係者の個人的利益に対して十分配慮すべきであるとの牛久市の判断にも一定の合理性が認められるものの、本件文書及び本件文書中における本件譲渡予定価格の法的性格、並びに公有地拡大推進法及び牛久市における情報公開制度の基本的趣旨に鑑みれば、異議申立人による本件異議申立には理由があり、また市政運営の透明性確保のためにも、本件譲渡予定価格情報は、公開すべきものと思料する、との結論に達した。

  その理由は、以下に述べるとおりである。

  一般に、不動産の譲渡価格は、不動産が財産としての個別性を極めて強く持ち、かつ、関係者間における諸般の事情が複雑に絡みあって決定されるため、関係者の個人的利益を保護する必要性が極めて高く、法令上特に要請されていない限り、当該情報を第三者に開示することは、法令上も社会的にも予定されていないということができる。また、このことは、関係者が個人である場合はもちろん、業として不動産の売買等を反復継続して行う事業会社であっても、事情が異ならないと考えられる。

  従って、牛久市が本件決定において、本件譲渡予定価格情報を非公開としたことは、本件文書中に記載された不動産の当事者である私人の個人的利益の保護に配慮した結果であるということができ、その判断には一定の合理性が認められる。

  しかしながら、本件文書における本件譲渡予定価格情報については、上記の一般論のみならず、同時に以下の事情を併せ考慮する必要がある。

  第一に、本件文書は公有地拡大推進法の規定に基づき、牛久市に届け出られた文書であって、そこに記載された情報は、本質的に、牛久市の市政に関係する、牛久市が取得し、牛久市の責任において管理されるものである。従って、本件譲渡予定価格が、本件文書に記載された私人間の契約に関係するものとしても、「牛久市がどのような情報を把握したうえで市政を運営しているか」という観点を、情報公開決定に際して加味する必要がある。

  第二に、公有地拡大推進法が、不動産の取引当事者に届出を要求している趣旨は、地方公共団体等が公益の推進を目的として、当該不動産について先買権を行使する機会を確保するためと解されるところ、当該届出に際して記載される譲渡予定価格は、届出を受けた地方公共団体等が先買権を行使すべきか否かの判断の参考資料の一つであるに留まり、届出を受けた地方公共団体等はもとより、届出を行った当事者においても、当該譲渡予定価格によって将来の取引を拘束されるものでない。また、当該届出に際しては、当該譲渡予定価格の算定根拠等について詳細を記載することも求められていない。これらのことからすると、本件文書における本件譲渡予定価格は、関係私人間における取引に関する予定価格という性質を完全に無視することはできないものの、実質的には、記載された譲渡予定価格を一つの参考価格として牛久市に対する先買権行使の機会が示されたことを意味していると考えられる。この点からも、本件譲渡予定価格情報は、牛久市の市政に関する情報の一種と評価することができるから、条例で定める特段の事情がない限り、市政の透明性を確保するため、公開の対象とされるべき情報というべきである。

  第三に、前述のとおり譲渡予定価格は、地方公共団体等に対して先買権行使の判断のための参考の一つとして提供される情報であり、届出を受けた地方公共団体等はもとより、届出関係者らにおいても、当該譲渡予定価格によって将来の取引を拘束されることはなく、かつ、当該譲渡予定価格については算定根拠等を示す必要がない。従って、前述した不動産の譲渡価格に関して関係者の有する個人的利益の保護の必要性に関する一般論は、少なくとも本件文書中における本件譲渡価格に関してそのままでは適用されるべきでない。仮に、当該譲渡予定価格が情報公開によって第三者の目に触れることとなったとしても、それは、不動産販売一般において、参考価格、取引希望価格が社会的に公示されているのと実質的に変わるものでなく、当該情報が公開されることによって生じうる関係者の不利益は、算定根拠を示す必要がないことと相まち、相当程度小さいものと考えて差し支えない。

  以上のとおり、本件譲渡予定価格情報は、関係者の個人的利益に配慮した牛久市による本件決定にも一定の合理性が認められるものの、牛久市における情報公開制度の基本的趣旨等に鑑み、公開すべきものと思料する。

平成21年11月19日(答申第2号)

                                                                                            牛久市情報公開・個人情報保護審査会

                                                                                                                            安部  英博

                                                                                                                            稲見  攝五

                                                                                                                            滑川  義一

                                                                                                                            久吉  一生

                                                                                                                         星野  豊(副会長)

                                                                                                                           山本  順一(会長)

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