作成日:2004/07/14



落ち込む税収

 私たちが病気になったり、けがをしたときは、病院で治療を受けます。そのとき病院に支払う金額は、全体の治療費の一部です。これは多額の治療費が急に必要になったとき、少しでも負担を軽くするために国民健康保険(国保)制度があるからです。
 しかし、この助け合いの制度が危機的な状況になっています。その原因の一つに国保税の「滞納」があります。

(図1)牛久市の国民健康保険税滞納額の推移

相互扶助

 そもそも国民健康保険は、市民相互に国保税を負担し合うことを前提とした相互扶助制度です。国保の窓口で「私は病気にならないから保険税は払わない」とか「お金がないから払わない」と国保税を納める意思のないお客様をたまに見掛けます。一部の人とはいえ、このように誤解をされている方が見受けられるのは残念なことです。
 相互扶助とは、自分が困っているときに他人に支えてもらい、反対に他人が困っているときには自分が手を差し伸べて助ける、という考え方なのです。たとえ病気でなくても国保税を納めなければならないことは、おのずと理解していただけると思います。「私一人くらいは…」と思っている方々に、たくさんの人たちがかかわっているのです。

主役はあなた

 何事にもルールがありますが、それはもとを正せば皆さん自身のためなのです。国民皆保険制度がなかった時代は、がんなどの病気にかかったら高額の出費を覚悟するしかありませんでした。そのような不安を解消するため、国民皆保険という相互扶助のルールが出来上がったのです。そのおかげで、大きな病気になっても治療費を気にせず、治療に専念できるようになりました。社会にかかわっている以上、その共通のルールに従うことは基本であり、最低限の義務なのです。
 しかし、そのルールを守らない滞納者が多いのが現実です。図1のように、平成十五年度末で滞納税額累計は約6億円にも達しています。
 保険税のほかに携帯電話代や洋服代など、お金の使い道はさまざまあると思いますが、多くの方々は納期限を守り、きちんと納税の義務を果たしているのです。

収納率の低迷

 参考までに牛久市の国保税収納率(現年度分)の変化を見てみましょう。図2をご覧ください。平成10年度から、ほぼ横ばいとなっています。しかし、着目すべきは、過年度分の収納率です。平成10年度以降毎年低下し続け、平成15年度末現在で14・7%と非常に低調になっています。すなわち、過去の滞納分について約85%は未納となっているのです。この過年度分の収納率を上げてこそ、本当の意味での収納率増加の取り組みが成功したと言えるのです。

(図2)牛久市の国民健康保険税収納率の推移

滞納していると…

 特別な事情がないのに保険税を滞納していると、滞納期間に応じてさまざまな措置が取られます。滞納期間が一年未満の場合、「短期被保険者証」が交付されます。これは国保から交付される有効期間の短い(3カ月更新)保険証のことで、期限切れごとに保険証の交付を窓口で受けることになり、その都度、納税相談を実施することになります。
 平成16年6月現在、市では「短期被保険者証」を964枚発行しており、昨年度末の668枚に比べ44・3%増となっています。これは滞納整理に全力を尽くし、滞納者に対して厳しい姿勢で臨んでおり、その結果として「短期被保険者証」の発行が増加しているものです。
 さらに、1年以上滞納すると国保の窓口で保険証を返還し、「被保険者資格証明書」が交付されることになります。この場合、医療費の負担がいったん全額自己負担になります。
 また、未納分については年14・6%(1カ月経過するまでの期間については年7・3%)と非常に高い延滞金が加算されますので、放置すればするほど、その分負担が大きくなることになります。

滞納者に一言

 納税の意思がありながら、どうしても経済的に無理だという方々には、相談窓口を開いてお待ちしています。
 少々言葉がきつく感じられた方も多いと思いますが、支払い能力がありながら滞納し、まじめに納税している人の負担をさらに大きくするような悪循環は、今すぐにでも改めなければなりません。滞納者の方はその点を十分に理解し、一日も早く滞納分を精算するように努力してください。

高齢受給者更新のお知らせ

 8月から新しい国民健康保険受給者証になります。
 平成14年10月の制度改正により、国民健康保険に加入されている70歳以上の方(老人保健で医療を受ける方は除く)に、高齢受給者証を交付しています。
 この高齢受給者証は、前年の所得によって自己負担割合や限度額などが決定されるため、新たに負担割合を見直した高齢受給者証を7月下旬にお送りします。8月からはお送りした新しい高齢受給者証をお使いください。(今までの高齢受給者証は、8月以降使用できませんので破棄してください)

問い合わせ 市医療年金課 電話029-873-2111(内線)1725