市の家計簿 平成14年度決算状況をお知らせします


9月16日から10月1日まで開催された平成15年第3回牛久市議会定例会で、平成14年度の牛久市一般会計および8つの特別会計の決算が承認されました。
 今回は「市の家計簿」ともいえる平成14年度の決算状況についてお知らせします。

【一般会計歳入】

 平成14年度の一般会計歳入決算額は、前年度と比較して2億2,122万1千円(1.1%)の減少となっています。
 歳入の半分以上を占めるのが市税です。市税の決算額は、前年度比547万円(0.1%)の減少となっています。市税のうち市民税は、前年度比3.7%の減少。また、固定資産税は2.6%の増加となっています。
 市の借金である市債は、前年度比5億1,065万2千円(31.8%)の増加となっています。
 地方交付税は、前年度比2億9,709万1千円(15.5%)の減少となっています。これは、地方公共団体の財源保障および財源調整制度として、所得税や法人税などとして徴収されたものの一部が市町村に交付されるものです。
 繰入金は、前年度比6億3,510万3千円(104.4%)の大幅な増加となっています。
 国庫支出金は、市の支出する特定の経費に対し国から支出されるもので、前年度比2億8,329万9千円(19.2%)の減少となっています。
 そのほかの歳入の主なものは、繰越金(前年度比18.3%減)、県支出金(前年度比20.3%減)などがあります。
 なお、この一般会計を財源別に見ると、自主財源(市が自主的に収入し得る財源)が66.6%(前年度は64.3%)、依存財源(国や県などから定められた額を交付されたり割り当てられたりする収入)が33.4%となっています。

決算総額

  歳入  歳出
一般会計   207億6,147万1千円 197億3,650万8千円
特別会計   120億6,163万2千円 118億7,795万8千円
決算総額   328億2,310万3千円 316億1,446万6千円

【一般会計歳出】

 平成14年度の一般会計歳出決算額は、前年度比2億8,637万5千円(1.4%)の減少となっています。
 歳出のうち最も多いのが教育費で、前年度比3億5,911万2千円(10.6%)の増加となっています。
 民生費は、前年度比3億7,370万5千円(11.2%)の増加となっており、社会福祉費や児童福祉費、生活保護費などが含まれます。
 総務費は、前年度比4億67万8千円(11.4%)の減少となっており、庁舎改築費、総合窓口の運営費、交通安全に関する事業などが含まれます。
 土木費は、前年度比9億5,779万9千円(25.2%)の大幅な減少となっており、市道の改良舗装や区画整理事業、都市計画道路建設事業などです。
 そのほかの歳出の主なものとして、公債費(前年度比10.8%増)、衛生費(前年度比11.0%増)、消防費(前年度比0.6%増)などがあります。

【特別会計】

 平成14年度の特別会計は、国民健康保険事業特別会計など全部で8会計です。これらの合計歳入決算額は、120億6,163万2千円。また、歳出決算額は118億7,795万8千円で、各会計ごとの決算額については、表のとおりとなっています。

特別会計 会計別決算状況

特別会計事業名 歳入額 歳出額 差引額
国民健康保険事業  40億3,633万円 40億2,555 万5千円 1,077万5千円
公共下水道事業 19億1,777万4千円  18億4,967万円 6,810万4千円
青果市場事業 2,380万8千円  2,292万4千円  88万4千
公共用地先行取得事業  4,381万8千円  4,381万8千円 0円
市街地再開発事業 5,020万3千円 5,020万3千円  0円
老人保健事業 42億5,241万6千円 42億5,241万6千円 0円
小規模水道事業 2,347万7千円 1,349万円 998万7千円
介護保険事業  17億1,380万6千円  16億1,988万2千円  9,392万4千円

指数で見る財政状況

※( )内は前年度

【財政力指数】 0.860(0.838)

 財政力指数は、財政力を示す指数として用いられ「1」に近く「1」を超えるほど財政力が強く、財源に余裕があるとされています。

【実質収支比率】 3.7%(4.4%)

 実質収支比率は、財政運営の健全性を評価するために用いられる指標で、経験的におおむね3〜5%が望ましいとされています。

【経常一般財源等比率】95.9%(97.3%)

 経常一般財源等比率は、歳入構造の弾力性を評価するために用いられる指標で、この比率が「100」を超える度合いが高いほど経常一般財源に余裕があるものとされています。

【経常収支比率】92.2%(90.6%)

 経常収支比率は、財政構造の弾力性を測定する比率として使われ、80%を超えると財政が硬直化しているものとされています。

【公債費比率】 15.2%(13.7%)

 公債費比率は、財政構造の健全性を評価するために用いられる指標で、この比率が高いほど将来財政硬直化の一因となるものとされており、この比率が10%程度が望ましいとされています。

市の財政状況をお知らせします

 市では、広報紙で予算や決算などを公表していますが、市民の皆さんに財政状況をより詳しくお知らせするために、総務省のガイドラインに基づきバランスシート(貸借対照表)を作成しています。これによって、今までに整備された土地・建物などの資産の構成や、将来返済する負債(借金)がどのくらいあるのかなどが明らかになります。
 市では、これらの情報を的確に把握し、企業経営的センスを生かし、税金の効率的な活用のために役立てていきます。

◆ バランスシート (平成15年3月31日現在)

借 方 貸 方
【資産の部】

全体 (千円)

市民一人当たり
(円)

【負債の部】

全体 (千円)

市民一人当たり
(円)

1.有形固定資産 - - 1.固定負債 -- --

(1)総務費

2,842,702 37,693

(1)地方債

18,347,129 243,276

(2)民生費

3,514,776 46,605

(2)債務負担行為

- -

(3)衛生費

6,426,505 85,213

1)物件の購入等

0 0

(4)労働費

0 0

2)債務保証または損失補償

0 0

(5)農林水産業費

281,401 3,731

債務負担行為計

0 0

(6)商工費

31,933 423

(3)退職給与引当金

3,361,901 44,577

(7)土木費

35,762,140 474,192

固定負債合計

21,709,030 287,853

(8)消防費

597,350 7,921 2.流動負債 - -

(9)教育費

21,582,016 286,169

(1)翌年度償還予定額

1,920,857 25,470

(10)その他

519,453 6,888

(2)翌年度繰上充用金

0 0

71,558,276 948,835

流動負債合計

1,920,857 25,470

(うち土地)

25,306,427 335,553 負債合計 23,629,887 313,323

有形固定資産合計

71,558,276 948,835 - - -
2.投資等 - - 【正味資産の部】 - -

(1)投資及び出資金

191,366 2,537 1.国庫支出金 10,515,152 139,427

(2)貸付金

242,711 3,218 2.都道府県支出金 582,924 7,729

(3)基金

4,348,638 57,661 3.一般財源等 46,661,042 618,707

1 特定目的基金

3,029,863 40,175 正味資産合計 57,759,118 765,863

2 土地開発基金

1,298,775 17,221 - - - 

3 定額運用基金

20,000 265 負債・ 正味資産合計

81,389,005

1,079,186

4 退職手当組合積立金

180,380 2,392 - - -

投資等合計

4,963,095 65,809 - - -
3.流動資産 - - - - -

(1)現金・預金

- - - - -

1 財政調整基金

964,524 12,789  - - -

2 減債基金

1,184,401 15,705  - - -

3 歳計現金

1,034,950 13,723  - - -

現金・預金計

3,183,875 42,217  - - -

(2)未収金

- - - - -

1 地方税

1,664,724 22,074  - - -

2 その他

19,035 252  - - -

未収金計

1,683,759 22,326  - - -

流動資産合計

4,867,634 64,543  - - -
資産合計 81,389,005 1,079,186  - - -
※一人当たりの金額については、全体の数字を平成15年3月31日現在の人口(75,417人)で割り、算出したもので、合計は必ずしも一致しません。

●有形固定資産

公共施設などの取得に掛かった建設工事費、設計費、用地購入費を資産評価額として減価償却(年々資産価値が下がる分を差し引く計算。ただし、土地は減価償却しない)し、決算統計の項目別に分類表示したもの

●投資等

市に関係する団体などへの出資金や特定の目的などのために運用している基金の額を計上したもの

●流動資産

市の預金や決算時に歳入歳出を差し引いたときの残りの現金、および年度末における市税などのこれから収入となるお金などを計上したもの

●固定負債

市の借金の今後の返済額や将来に負担することが確定した金額、および年度末に職員全員が自己の都合で退職したときに必要となる退職金(推計)などを計上したもの

●流動負債

翌年度に返済する予定の市の借金の元金分のみを計上したもの

●正味資産

企業の資本金に当たるもの。資産を取得するために使った税金や、国・県から入った補助金などを有形固定資産と同じように減価償却(年々資産価値が下がる分を差し引く計算)を行って計上したもの

土地明細表

区分

取得価格(千円)

道路橋りょう 5,857,450
街路 6,408,769
公営住宅 922,382
小学校 804,116
中学校 1,233,132
その他 10,080,578
合計 25,306,427

社会資本形成の世代間負担比率

 社会資本の整備の結果を示す有形固定資産のうち、正味資産による整備の割合を見ることによって、これまでの世代によってすでに負担された分の割合を見ることができます。また、負債に着目すれば、将来返済しなければならない分の割合を見ることができます。

これまでの世代による社会資本の負担比率(%)

正味資産合計 / 有形固定資産合計 = 80.77%

後世代による社会資本の負担比率(%)

負債合計 / 有形固定資産合計 = 33.0%

正味資産比率

企業会計でいう自己資本比率に当たり、この正味資産比率が高いほど財政状態が健全であると言えます。
正味資産合計 / 負債・正味資産合計 = 71.0%

バランスシートって何?

 バランスシート(貸借対照表)とは、基準日現在に資金がどのように集められ、どのように使われているかを示す表です。
 バランスシートの左側(借方)は、資産の部として、市がどのような資産を所有しているか、言い換えればどのような資産に資金を投入しているか、資産の運用状況を示しています。
 右側(貸方)には、資金をどのように集めたか、資金の調達状況を示します。これには、地方債など借り入れたものや、将来の支出を義務付けられている職員の退職手当引当金を負債として、また国・県補助金や税金などの自己資本を正味資産として表しています。

○バランスシートの対象となる会計

 普通会計という各自治体間を比較するために用いられる概念上の会計です。牛久市では、一般会計と公共用地先行取得事業特別会計、市街地再開発事業特別会計および小規模水道事業特別会計を合わせたもので構成されています。

○バランスシートの基礎となるデータ

 各自治体が決算時に毎年作成している地方財政状況調査(決算統計)の昭和44年度からのデータを基礎に、総務省の統一基準によって作成しました。

○牛久市の状況は?

 今回作成したバランスシートによると、土地・建物や基金(預金)といった市の資産は約814億円、これに対し今後返済していくことになる負債は約236億円、その差額約578億円が民間企業の資本金に当たる正味資産となります。これを市民一人当たりに換算すると、資産が約108万円、負債が約31万円、正味資産が約77万円となります。

問い合わせ 市経営企画課電話029-873-2111内線1113


平成14年度決算  市のお金の使い道


 市民一人当たりの支出額で見てみると…

市民一人当たりの市税額 約142,300円
市民一人当たりの歳出額 約261,700円
(人口は平成15年3月31日現在の数字で計算)

教育費 約49,700円(10.6%増)

民生費 約49,000円(11.2%増)

・小・中学校、幼稚園の管理運営
・牛久第一中学校外構工事
・救急救命講習の実施
・公民館講座開催
・図書館の運営
・学校体育施設開放
・各種スポーツ大会開催など

・社会福祉協議会、シルバー人材センターへの助成
・障害者援護サービス
・老人クラブの育成
・在宅介護支援センターの運営
・医療費の助成
・保育所の維持管理など

総務費 約41,400円(11.4%減)

土木費 約37,700円(25.2%減)

・情報公開推進
・ISO14001の運用
・行政評価システム構築
・庁舎の改築
・交通安全対策
・地域防災体制推進
・広報紙発行
 など

・牛久駅西口北土地区画整理
・城中・田宮線整備
・根古屋川、結束川河川改修
・市道整備
・自然観察の森の維持管理
・市営住宅の維持管理
 など

公債費 約33,000円(10.8%増)

衛生費 約29,900円(11.0%増)

・ 市が、道路や建物など多額の費用が掛かるものを造る際に借りたお金の返済に充てられます。後の世代を含め、将来に渡って返済していきます。

・ごみ収集・運搬業務の委託
・地球温暖化防止計画推進
・清掃工場の維持管理
・うしくあみ斎場の運営
・雑草除去
・予防接種の実施
・健康づくり体制の整備など

消防費 約12,800円(0.6%増)

農林水産業費 約2,800円(30.0%減)

・稲敷広域消防に関する経費
・市消防団の運営
・貯水槽、消火栓など消防施設の整備
 など

・農業大規模経営体の育成
・転作作物の指導と集団転作の指導
・使用済み農業用ビニール・ポリの回収など

商工費 約2,800円(16.4%減)

議会費 約2,600円(1.0%減)

・中小企業を対象とした資金融資
・消費生活問題に関する情報提供
・観光協会の活動助成
 など

・定例会、臨時会、委員会などの開催
・市政に関する調査研究、視察
 など

※ ( )内は前年度比。数字は概算です。