6月1日から「牛久市の環境を守り育てる条例」が施行されます


 牛久市は、小野川や稲荷川などの水辺空間、森林や田園の緑など恵まれた環境に囲まれています。これらは、先人たちのたゆまぬ努力と進取の精神によりはぐくまれてきたものです。この良好な環境をいつまでも守り育てていきたい!こんな願いから「牛久市の環境を守り育てる条例」を制定しました。

なぜ条例を定めたのでしょう?「牛久市の環境を守り育てる条例」前文より

 私たちのまち牛久市は、市内の中心を霞ケ浦に流れる小野川、西には牛久沼に流れる稲荷川をはじめとする水辺空間、市の中心からは遠く筑波山が望まれる台地など豊かな水、田園の緑に恵まれた自然との調和の中で、先人達のたゆまぬ努力と進取の精神により、今日の豊かな生活を育んできた。
 しかしながら、大量生産、大量消費、大量廃棄の社会経済活動は、物質的な豊かさ、生活の利便性を高める一方で、身近な自然環境やうるおいのある快適な生活環境への負荷を増大させてきた。そして、環境への負荷は、一部の地域社会のみならず、地球規模の環境にまで影響を与え、世代を超えた影響も懸念されている。
私たちは、環境を構成する生態系の一員であり、享受できる環境には限りがあるとの認識に立ち、さらに豊かな環境を創出し、環境と共生できる社会の実現に努めなければならない。
 このような認識の下、すべての市民の参加と協働により、持続的発展が可能な社会の構築と、人と自然が共生することができる健全で恵み豊かな郷土の環境を保全し、創出し、将来の世代へ継承していくため、この条例を制定する。

「牛久市の環境を守り育てる条例」は市の環境行政の柱です

 この条例の中では、環境審議会や環境基本計画などの具体的な規定も含まれていますが、大部分は環境の保全と創出に関する基本的な考え方や施策の方向性を示す規定で占められています。また、この条例は市の環境行政における基本条例であり、「牛久市不法投棄防止条例」や「牛久市公害防止条例」などの具体的な施策条例の上位条例となります。

『基本理念』

この条例では以下の三つの項目を基本理念として掲げています。(条例第3条)

1.環境の保全及び創出は、市民が安全で健康かつ文化的な生活を営むうえで欠くことのできない健全で豊かな環境の恵みを等しく享受し、将来の世代に継承されるよう適切に行われなければならない。
2. 環境の保全及び創出は、多様な自然環境に恵まれた本市の特性を生かし、人と自然との共生を確保し、すべての者が公平な役割分担の下で環境への負荷の少ない持続的発展が可能な循環型社会を構築するため、自主的かつ積極的に取り組むことによって行わなければならない。
3. 地球環境の保全は、人類共通の課題であり、市民の健康で安全かつ文化的な生活を将来にわたって確保するうえで極めて重要であるため、すべての事業活動及び日常生活において推進されなければならない。

不法投棄防止条例

 廃棄物には、事業活動に伴って排出される産業廃棄物と産業廃棄物以外に一般家庭の生活に伴って生じるごみ(一般廃棄物)などがあります。
 本来、廃棄物の処理については、法律の規定に基づき適正な処理をすることになっています。ところが、処理費用の問題などから適正な処理をせず、空き地・農地・山林といった人家から離れた場所にみだりに廃棄物を不法に投棄するなど悪質な行為が発生しています。不法投棄された廃棄物は、やがて周辺の環境に何らかの影響を与えることにもなりかねません。
 牛久市不法投棄防止条例は、廃棄物の不法投棄を未然に防止し、その早期発見と早期対応を迅速に行うことで、市民の皆さんが安心して暮らせる生活環境の確保と公衆衛生の向上を図ることが目的です。条例の主な内容は、次のとおりです。
1.市の責務として、不法投棄者に対して不法投棄物の撤去および不法投棄地の原状回復の指示とその実施状況について指導・監督を行うことと、県および市を管轄する警察署などの関係機関と連携して迅速かつ適切に対応する。
2.市民、滞在者、土地所有者の責務として、市の実施する廃棄物の不法投棄防止に関しての施策に協力することと、土地所有者は所有地や管理する場所において、不法投棄をさせないよう防止し、廃棄物が不法投棄された場所については必要な措置を講ずるよう努める。
3.事業者の責務として、事業活動から生じた廃棄物の適正な処理を行い、不法投棄の防止のため、必要な措置を講ずるよう努める。
4.市民、事業者、土地所有者は、不法投棄または不法投棄者を発見したときは、速やかに市長に情報提供をする。
5.市が設置する不法投棄監視員による市内パトロールの実施。
6.市職員による不法投棄を防止するための立入調査および指導の実施。

〈参考〉

 廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号。以下「法」という)第16条で「何人も、みだりに廃棄物を捨ててはならない。」と規定されています。
 これに違反する行為を行った者に対しては、法第25条で「5年以下の懲役若しくは1千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する」と規定され、さらに法第32条では、法人が産業廃棄物に係る法第16条に違反した場合「1億円以下の罰金刑」が法人に対して科されます。
 以上のことから「捨てない、捨てられない、捨てさせない」良好な環境づくりにご協力をお願いします。また、皆さん一人ひとりに不法投棄の監視者となっていただくことも、一つの不法投棄防止の手段となります。

土砂等による土地の埋立て、盛土及びたい積の規制に関する条例

 近県などでは「田を高くして畑にしてやる」とか「低い土地なので土を盛ってやる」とか言われるまま容易に承諾した結果、汚染された土砂や汚泥などを埋め立てられたという事例が発生しています。一度汚染された土地を元の状態に回復するには、多大な経費と時間が必要となります。また、土砂などの崩落により災害が発生する場合なども考えられます。
 このようなことが起こらないように、現行条例の全部を改正し、事業主および事業施行者の責務をより明確にしました。
1.事業を施行するに当たっては、市民の安全および良好な生活環境を確保するため、万全の措置を講じなければならない。
2.計画事業区域の隣地周辺の方々への計画事業の告知とその事前説明会の実施。
3.当該計画事業について、市長と事前協議を行う。
4.事前協議を経て、事業の許可申請の際に、当該事業区域に接する周辺百メートルまでの住民および土地所有者からの同意の取得およびその同意書の提出が必要。
5.事業区域に土砂などの搬入を行う際に、法律で定める土質基準に適合した土砂などの搬入とその土質分析および土砂などの発生元を証明する書面の提出が必要。
7.事業主などは、周辺への環境保全および安全対策を講じるよう一定の基準を設け定期的な土質の検査とその分析および事業状況の報告を行う。
8.この条例に違反したときに科せられる罰金や措置命令などについても大幅な改正を行いました。
9.そのほか、従来の条例で適用されなかった農地についても許可の申請が必要です。

〈参考〉

 条例で定める規則や措置命令などに違反した場合には、最高で2年以下の懲役、もしくは30万円から100万円以下の罰金が科せられます。

問い合わせ 市環境衛生課 電話029-873-2111内線1561〜1563