○牛久市文化財保護条例
令和5年6月20日
条例第16号
牛久市文化財保護条例(昭和47年条例第24号)の全部を改正する。
目次
第1章 総則(第1条―第3条)
第2章 市指定文化財(第4条―第21条)
第3章 市認定市民文化遺産(第22条―第28条)
第4章 文化財保護審議会(第29条―第34条)
第5章 補則(第35条)
第6章 罰則(第36条―第39条)
附則
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、本市(以下「市」という。)の区域内にある文化財を保存し、かつ、その活用を図り、もって市民文化の向上に資することを目的とする。
(文化財の定義)
第2条 この条例で「文化財」とは、次の各号に掲げるものをいう。
(1) 建造物、絵画、彫刻、工芸品、書跡、典籍、古文書その他の有形の文化的所産で、歴史上又は芸術上価値の高いもの(これらのものと一体をなしてその価値を形成している土地その他の物件を含む。)並びに考古資料及びその他の学術上価値の高い歴史資料(以下「有形文化財」という。)
(2) 演劇、音楽、工芸技術その他の無形の文化的所産で、歴史上又は芸術上価値の高いもの(以下「無形文化財」という。)
(3) 衣食住、生業、信仰、年中行事等に関する風俗習慣、民俗芸能、民俗技術及びこれに用いられる衣服、器具、家屋その他の物件で、市民の生活の推移の理解のため欠くことのできないもの(以下「民俗文化財」という。)
(4) 貝塚、古墳、城跡、旧宅その他の遺跡で歴史上又は学術上価値の高いもの、庭園、橋りょう、峡谷、海浜、山岳その他の名勝地で芸術上又は鑑賞上価値の高いもの及び動物(生息地、繁殖地及び渡来地を含む。)、植物(自生地を含む。)及び地質鉱物(特異な自然の現象の生じている土地を含む。)で学術上価値の高いもの(以下「記念物」という。)
(市民、所有者等の心構え)
第3条 市民は、市がこの条例の規定に基づき行う措置に誠実に協力しなければならない。
2 文化財の所有者その他の関係者は、文化財が貴重な財産であることを自覚し、これを公共のために大切に保存するとともに、できるだけこれを公開する等その文化的活用に努めなければならない。
3 市の執行機関は、この条例の執行にあたって、関係者の所有権その他の財産権を尊重するとともに、文化財の保護と他の公益との調整に留意しなければならない。
第2章 市指定文化財
(指定)
第4条 市長は、市内に存する文化財のうち重要なものを、牛久市指定文化財(以下「市指定文化財」という。)に指定することができる。
2 市指定文化財の種別は、次に掲げるところによる。
(1) 有形文化財
(2) 無形文化財
(3) 民俗文化財
ア 有形民俗文化財
イ 無形民俗文化財
(4) 記念物
ア 史跡
イ 名勝
ウ 天然記念物
3 市長は、無形文化財又は無形民俗文化財について第1項の指定をしようとするときは、その保持者又は保持団体(無形文化財又は無形民俗文化財を保持する者が主たる構成員となっている団体で代表者の定めのあるものをいう。以下同じ。)を認定しなければならない。
4 市長は、第1項の規定による指定をしようとするときは、あらかじめ指定しようとする文化財の所有者、保持者、保持団体の代表者又は権原に基づく占有者(以下「所有者等」という。)の同意を得なければならない。ただし、所有者等が判明しないときはこの限りでない。
(一部改正〔令和6年条例1号〕)
(解除)
第5条 市長は、市指定文化財が次の各号のいずれかに該当すると認められるときは、その指定を解除することができる。
(1) 市指定文化財としての価値を失ったとき。
(2) 市の区域内に存在しなくなったとき。
(3) その他特別の理由があるとき。
2 前条第3項の規定により認定された保持者が、心身の故障により保持者として適当でなくなったと認められる場合、保持団体がその構成員の異動のため保持団体として適当でなくなったと認められる場合その他特殊な事由があるときは、市長はその認定を解除することができる。
4 市指定文化財について、文化財保護法(昭和25年法律第214号。以下「法」という。)による指定又は茨城県文化財保護条例(昭和51年茨城県条例第50号。以下「県条例」という。)による指定があったときは、市指定文化財の指定は解除されたものとする。
5 無形文化財又は無形民俗文化財について、保持者が死亡したとき、又は保持団体が解散したとき(消滅したときを含む。以下この項及び第9条第3項において同じ。)は、当該保持者又は保持団体の認定は解除されたものとし、保持者の全てが死亡したとき、又は保持団体の全てが解散したときは、市指定文化財の指定は解除されたものとする。
(一部改正〔令和6年条例1号〕)
3 市長は、第4条第1項の規定による市指定文化財の指定があった場合は、当該文化財の所有者等に指定書を交付しなければならない。
(一部改正〔令和6年条例1号〕)
(管理義務及び管理責任者)
第7条 市指定文化財の所有者等は、この条例及びこの条例に基づく規則等の規定に従い、市指定文化財を管理しなければならない。
2 市指定文化財の所有者等は、特別の事情があるときは、当該市指定文化財の管理の責めに任ずべき者(以下「管理責任者」という。)を選任することができる。
(譲渡の届出)
第8条 市指定文化財(無形文化財及び無形民俗文化財を除く。)の所有者は、当該市指定文化財を譲渡しようとするときは、あらかじめその旨を市長に届け出なければならない。
(一部改正〔令和6年条例1号〕)
(所有者等の変更等の届出)
第9条 市指定文化財の所有者等又は管理責任者は、次の各号に掲げる場合は、速やかに市長にその旨を届け出なければならない。
(1) 所有者等に変更があったとき。
(2) 管理責任者を選任し、変更し、又は解任したとき。
(3) 所有者等又は管理責任者の氏名若しくは名称又は住所の変更があったとき。
(4) 市指定文化財(無形文化財及び無形民俗文化財を除く。)の全部又は一部が滅失し、若しくは破損し、又はこれを紛失し、若しくは盗み取られたとき。
(5) 市指定文化財(無形文化財及び無形民俗文化財を除く。)の所在の場所を変更しようとするとき。
3 無形文化財又は無形民俗文化財の保持者が死亡したとき、又は保持団体が解散したときは、当該保持者の相続人又は当該保持団体の代表者であった者がその旨を届出なければならない。
(一部改正〔令和6年条例1号〕)
(所有者変更に伴う権利義務の承継)
第10条 市指定文化財(無形文化財及び無形民俗文化財を除く。)の所有者を変更したときは、新所有者は、当該市指定文化財に関しこの条例に基づいてする市長の勧告、指示その他の処分による旧所有者の権利義務を承継する。
2 前項の場合には、旧所有者は、当該市指定文化財の引渡しと同時にその指定書を新所有者に引き渡さなければならない。
(一部改正〔令和6年条例1号〕)
(指定管理団体による管理)
第11条 市指定文化財(無形文化財及び無形民俗文化財を除く。)につき所有者が判明しない場合又は所有者若しくは管理責任者による管理が著しく困難若しくは不適当であると明らかに認められる場合には、市長は、適当な団体を指定して当該市指定文化財の保存のために必要な管理(当該市指定文化財の保存のため必要な設備、施設その他の物件で当該市指定文化財の所有者の所有又は管理に属するものの管理を含む。)を行わせることができる。
2 前項の規定による指定をするには、市長はあらかじめ、当該市指定文化財の所有者及び権原に基づく占有者並びに指定しようとする団体の同意を得なければならない。ただし、当該市指定文化財の所有者が判明しない場合には、この限りでない。
(一部改正〔令和6年条例1号〕)
(指定管理団体の指定の解除)
第12条 前条第1項に規定する事由が消滅した場合その他特殊な事由があるときは、市長は、指定管理団体の指定を解除することができる。
(一部改正〔令和6年条例1号〕)
(指定管理団体の管理の費用)
第13条 指定管理団体が行う管理に要する費用は、指定管理団体の負担とする。
2 前項の規定は、指定管理団体と所有者との協議により、管理に要する費用の全部又は一部を所有者の負担とすることを妨げるものではない。
(現状変更等の制限)
第14条 市指定文化財(無形文化財及び民俗文化財を除く。)に関しその現状を変更し、又はその保存に影響を及ぼす行為をしようとするときは、市長の承認を受けなければならない。ただし、現状の変更については維持の措置又は非常災害のために必要な応急措置をとる場合、保存に影響を及ぼす行為については影響の軽微である場合は、この限りでない。
2 前項ただし書に規定する維持の措置の範囲は、規則で定める。
(一部改正〔令和6年条例1号〕)
(市指定有形民俗文化財の保護)
第15条 市指定有形民俗文化財(第4条第1項の規定により指定された有形民俗文化財をいう。以下同じ。)に関しその現状を変更し、又はその保存に影響を及ぼす行為をしようとする者は、あらかじめその旨を市長に届け出なければならない。
2 市指定有形民俗文化財の保護上必要があると認めるときは、市長は、前項の届出に係る現状の変更又は保存に影響を及ぼす行為に関し必要な指示をすることができる。
(一部改正〔令和6年条例1号〕)
(一部改正〔令和6年条例1号〕)
(環境保全)
第17条 市長は、市指定文化財(無形文化財及び無形民俗文化財を除く。)の保全のため、必要があると認めるときは、地域を定めて一定の行為を制限し、又は禁止することができる。
2 前項の規定による処分によって損害を受けた者に対して、市は、その通常生ずべき損害を補償する。
(一部改正〔令和6年条例1号〕)
(公開及び報告)
第18条 市長は、市指定文化財の所有者等(管理責任者がある場合はその者)に対し、当該市指定文化財の公開を勧告することができる。
2 市長は、必要があると認めるときは、所有者等又は管理責任者に対し、指定文化財(無形文化財及び無形民俗文化財を除く。)の現状又は管理の状況について報告を求めることができる。
(一部改正〔令和6年条例1号〕)
(補助等)
第19条 市指定文化財の管理、修理、復旧又は保存(以下「管理等」という。)につき多額の経費を要し、所有者等又は管理責任者がその負担に堪えない場合その他特別の事情がある場合には、市長は、その経費の一部に充てさせるため、市指定文化財の所有者等又は管理責任者に対し、予算の範囲内で補助金を交付し、又は相当の金額でこれを買い上げることができる。
(管理又は修理に関する勧告)
第20条 市指定文化財(無形文化財及び無形民俗文化財を除く。)の管理が適当でないため当該指定文化財が滅失し、毀損し、又は盗み取られるおそれがあると認めるときは、市長は、所有者又は管理責任者に対し、管理方法の改善、保存施設の設置その他管理に関し必要な措置を勧告することができる。
2 市指定文化財(無形文化財及び無形民俗文化財を除く。)が毀損している場合において、その保存のため必要があると認めるときは、市長は、所有者に対し、その修理について必要な勧告をすることができる。
(一部改正〔令和6年条例1号〕)
(公表)
第21条 市長は、前条第1項の規定により勧告を受けた者が正当な理由がなく当該勧告に従わないときは、その旨を公表することができる。
(一部改正〔令和6年条例1号〕)
第3章 市認定市民文化遺産
(認定等)
第22条 市長は、文化財又は文化財に準ずるもの(以下「文化財等」という。)のうち、地域に伝え残され、かつ、親しまれているものであって歴史上、芸術上、学術上若しくは鑑賞上価値のあるもの又は住民の生活の推移の理解に有用なもので保存及び活用の必要があると認めるものを所有者等の申請に基づき、牛久市認定市民文化遺産(以下「市民文化遺産」という。)に認定することができる。
2 市長は、市民文化遺産の保存及び活用のために必要な施策を実施するものとする。
(一部改正〔令和6年条例1号〕)
(認定の解除)
第23条 市長は、市民文化遺産が次の各号のいずれかに該当すると認められるときは、その認定を解除することができる。
(1) 市民文化遺産としての価値を失ったとき。
(2) 市民文化遺産のうち無形文化財及び無形民俗文化財の所有者等である保持者が心身の故障のため保持者として適当でなくなった時。
(3) 市民文化遺産のうち無形文化財及び無形民俗文化財の所有者等である保持団体がその構成員の異動のため保持団体として適当でなくなった時。
(4) 市の区域内に存在しなくなったとき。
(5) その他特別の理由があるとき。
(一部改正〔令和6年条例1号〕)
3 市長は、第22条第1項の規定による市民文化遺産の認定があった場合は、当該市民文化遺産の所有者等に認定書を交付しなければならない。
(一部改正〔令和6年条例1号〕)
(管理)
第25条 市民文化遺産の管理は、所有者等が行うものとする。
2 前項の管理に必要な費用は所有者等の負担とする。
3 市民文化遺産の管理、毀損、現状変更、修理に際しては、所有者等は市長に助言を求めることができる。
(一部改正〔令和6年条例1号〕)
(所有者等の変更等の届出)
第26条 市民文化遺産の所有者等は、次の各号に掲げる場合は、速やかに市長にその旨を届け出なければならない。
(1) 所有者等に変更があったとき。
(2) 所有者等の氏名若しくは名称又は住所の変更があったとき。
(3) 市民文化遺産(無形文化財及び無形民俗文化財を除く。)の全部又は一部が滅失し、若しくは破損し、又はこれを紛失し、若しくは盗み取られたとき。
(4) 市民文化遺産(無形文化財及び無形民俗文化財を除く。)の所在の場所を変更しようとするとき。
2 前項第1号の届出にあっては、関係人が連署しなければならない。
3 無形文化財又は無形民俗文化財の保持者が死亡したとき、又は保持団体が解散したときは、当該保持者の相続人又は当該保持団体の代表者であった者がその旨を届け出なければならない。
(一部改正〔令和6年条例1号〕)
(現状変更及び修理の届出)
第27条 次の各号のいずれかに該当すると認められるときは、所有者等は、速やかに、その旨を市長に届け出るものとする。
(1) 市民文化遺産(無形文化財及び無形民俗文化財を除く。)に関しその現状を変更し、又はその保存に影響を及ぼす行為をしたとき。
(2) 市民文化遺産(無形文化財及び無形民俗文化財を除く。)を修理したとき。
(一部改正〔令和6年条例1号〕)
(活用)
第28条 所有者等は、市民文化遺産を市民共有の文化資産として地域の振興等に積極的に活用し、もって市民に広く地域の歴史や伝統に触れる機会を提供することに努めるものとする。
第4章 文化財保護審議会
(文化財保護審議会)
第29条 法第190条第2項の規定に基づき、牛久市文化財保護審議会(以下「審議会」という。)を置く。
(一部改正〔令和6年条例1号〕)
(所掌事務)
第30条 審議会は、市長の諮問に応じて、文化財の保存及び活用に関する重要事項について調査審議し、これらの事項に関して市長に建議する。
(一部改正〔令和6年条例1号〕)
(組織)
第31条 審議会は、委員12人以内をもって組織する。
2 特別の事項を調査審議するため必要があるときは、審議会に臨時委員を置くことができる。
3 委員及び臨時委員は、学識経験のある者又は関係行政機関の職員のうちから、市長が委嘱する。
(一部改正〔令和6年条例1号〕)
(任期)
第32条 委員の任期は、2年とする。ただし、委員に欠員が生じた場合の補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。
2 臨時委員は、当該特別の事項の調査審議が終わったときは、退任するものとする。
3 委員及び臨時委員は、地方公務員法(昭和25年法律第261号)第3条第3項第3号の規定による非常勤の特別職とする。
(会長)
第33条 審議会に、会長及び副会長を置く。
2 会長及び副会長は、委員の互選によってこれを定める。
3 会長は、審議会の会務を総理する。
4 副会長は、会長を補佐し、会長に事故があるとき又は会長が欠けたときは、その職務を代理する。
(議事)
第34条 審議会は、委員の過半数が出席しなければ、議事を開き、議決をすることができない。
2 審議会の議事は、出席した委員の過半数をもって決し、可否同数の時は、会長の決するところによる。
第5章 補則
(委任)
第35条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
(一部改正〔令和6年条例1号〕)
第6章 罰則
第36条 市指定有形文化財(第4条第1項の規定により指定された有形文化財をいう。以下同じ。)を損壊し、毀損し、又は隠匿したものは、5万円以下の罰金又は科料に処する。
第37条 市指定記念物(第4条第1項の規定により指定された記念物をいう。以下同じ。)の現状を変更し、又はその保存に影響を及ぼす行為をしてこれを滅失し、毀損し、又は衰亡するに至らしめた者は、5万円以下の罰金又は科料に処する。
第38条 第14条の規定に違反して、市長の許可を受けず、若しくはその許可の条件に従わないで、市指定有形文化財若しくは市指定記念物の現状を変更し、若しくはその保存に影響を及ぼす行為をし、又は市長の現状の変更若しくは保存に影響を及ぼす行為の停止の命令に従わなかった者は、3万円以下の罰金若しくは科料に処する。
(一部改正〔令和6年条例1号〕)
第39条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務若しくは財産の管理に関して前2条の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人又は人に対しそれぞれ本条の罰金刑を科する。
附則
(施行期日)
1 この条例は、令和5年7月1日から施行する。
(牛久市文化財保護審議会条例の廃止)
2 牛久市文化財保護審議会条例(昭和56年条例第21号)は、廃止する。
附則(令和6年条例第1号)抄
(施行期日)
1 この条例は、令和6年4月1日から施行する。
(経過措置)
5 この条例の施行の日(以下「施行日」という。)前に法令、条例若しくは教育委員会規則の規定により牛久市教育委員会若しくは牛久市教育委員会の委任を受けた者がした処分その他の行為のうちこの条例の施行の際現に効力を有するもの又はこの条例の施行の際現に法令、条例若しくは教育委員会規則の規定により牛久市教育委員会若しくは牛久市教育委員会の委任を受けた者に対してされている申請その他の行為で、施行日以後においてこの条例の規定により市長が管理し、及び執行することとなる事務に係るものは、施行日以後においては、市長若しくは市長の委任を受けた者がした処分その他の行為又は市長若しくは市長の委任を受けた者に対してされた申請その他の行為とみなす。