平成19年度建議第1号（2017年4月14日更新）
【建議第1号】
牛久市における職務著作に関する著作財産権の取扱いを改め、情報公開の総合的な推進をより効果的なものとする方策の提言（建議）
本市においては、牛久市情報公開条例（平成16年9月17日条例34号）25条、26条の定めにもとづき、牛久市情報の公表及び提供の推進に関する要綱を策定し、市民が市の保有する情報を迅速かつ容易に取得できるよう努めてきたところです。このような措置により本市の‘市政の透明化および情報の共有化’は大いに促進され、‘市民の市政への積極的な参加’のための制度的基盤は整いつつあるものと認識いたしております。
このような参加型民主主義の市政をさらに推進するためには、本市において職員が職務の一環として作成した公文書について、‘著作者’である本市がその著作財産権を主張しないことにより、市民等が広く複製、利用することが可能となり、‘情報共有’の範囲を拡大することが強く望まれます。インターネット等を通じて、市民等がこれまで以上に市の発信する情報に触れる機会が増加すれば、市民の本市行政に対する認識と理解が深まり、市民と本市行政とのパートナーシップの絆はさらに強まることになります。
国が定める著作権法（昭和45年5月6日法律48号）は、その42条の2において、「情報公開条例で定める方法により開示するために必要と認められる限度において、当該著作物を利用することができる」と定めており、公文書として保有されている著作物に関する著作財産権が制限されています。著作権法においても、民主主義社会の基幹的制度である情報公開制度には十分な配慮を示しており、本市が作成、保有する公的情報の市民等との共有を拡大する措置は当該規定の趣旨に沿うものと思われます。本市職員によって作成される職務著作物については、著作権法15条によって、法人としての牛久市が著作者の位置を占めるわけですが、本市がその著作財産権を主張しないとすることは著作権法上問題なく、国法秩序と抵触するところはありません。また、著作権法18条ないし20条に定める著作者人格権の行使を留保するので、本市情報公開条例7条、11条が規定する公文書の伝播、流通のおそれはなく、公表された公文書の改変、改竄等についての懸念はありません。
当審査会は、牛久市情報公開条例（平成16年9月17日条例34号）25条、26条の趣旨を徹底するために、情報公開条例を改正し、本市における職務著作につき、著作財産権の主張をしない旨の規定を加えることを強く要望いたします。このことは情報公開制度先進市である本市の声望をさらに高めることを確信いたします。
牛久市情報公開・個人情報保護審査会
安部 英博
黒澤 勇（副会長）
滑川 義一
久吉 一生
星野 豊
山本 順一（会長）
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