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1歳になったらすぐに麻しんの予防接種を受けましょう

麻しん(はしか)の知識を高めましょう!!

麻しんは命にかかわる危険な感染症

 私たちの周囲には、感染症を引き起こすウイルスが多数存在します。目に見えないウイルスは、医療技術やワクチンの開発が進んだ現代でも、私たちにとって怖い存在です。
 昔、麻しんは「命定(いのちさだめ)」と言われ、特に子どもの病気として大変恐れられていました。患者数・死亡者数とも以前と比べ減少はしているものの、現在でも、国内において年間10人〜40人程度の死亡者が出ています。死亡者数の大半が4歳以下の乳幼児になっていることから、乳幼児にとって命にかかわる危険な感染症であることは今も昔も変わっていません。
 今回は、昨年11月に国の予防接種実施要領が一部改正された、麻しん予防接種についてお知らせします。病気の正体や効果的な予防接種の受け方を正しく理解し、麻しんを予防しましょう。

怖い合併症…麻しんはどんな病気?

 麻しんは、麻しんウイルスの感染により発病します。麻しんウイルスは感染力が非常に強く、免疫を持たない人が感染した場合、ほぼ100パーセント発病するといわれています。約10日間の潜伏期間の後、鼻水、せき、目の充血、目やになど風邪に似た症状から始まります。その後、38度以上の高熱を繰り返し、口の中に斑点状の発しんが出始めます。その直後に全身の発しんが見られます。感染から回復まで約1カ月間、体の免疫力は極端に低下し、いわゆる免疫不全状態に陥ります。その間、最も恐ろしい合併症が起こる可能性があります。
 麻しん患者は、年間10万〜20万人と推定されていますが、患者の100人に1〜6人は肺炎を、2千〜3千人に1人は脳炎を合併します。わが国では、これらの合併症で毎年、死亡者が出ています。

麻しん予防の最強の武器…予防接種

 麻しんを予防するためには、麻しんワクチンを接種することが最も有効です。麻しんワクチンは、接種後の免疫獲得率が約95パーセントとほかの予防接種と比較しても接種効果の高い、優れたワクチンといえます。また、わが国で製造されているワクチンは、副反応も極めて少なく、世界的に見てもトップクラスの水準にあります。

世界の麻しんを取り巻く状況

 WHO(世界保健機関)は、麻しん排除に向かう段階を低い状態から次の三つに区分しています。
1  麻しん患者の発生や死亡者数の減少を目指す制圧期
2  集団発生を低く抑えるための集団発生予防期
3  麻しん排除の最終段階である排除期
 アメリカ大陸、ヨーロッパ、南アフリカや中近東の一部の国は既に排除期にあり、麻しん予防の先進地域といえます。オーストラリアなどのオセアニア諸国は集団発生予防期。そして、日本、中国、インドなどは、最も遅れている制圧期に含まれています。世界的に見ると、日本は麻しん予防の後進国なのです。
 排除期にある米国・英国では、自国民からの麻しん患者発生はほとんどなく、患者の多くは国外からの入国によるものです。特に、米国においてはその第一位が日本からの入国者であることが問題となっています。

予防接種の力を最大限に発揮させるために

 わが国は、保有するワクチンは優れているのに、麻しん予防後進国といわれるのはなぜでしょうか。それは、予防接種の接種率が大きく関与しています。社会から麻しんの流行を無くしたり、死亡者数を減少させるためには、人々のワクチン接種率を90〜95パーセント以上に維持する必要があります。排除期の国々は九五パーセントを超えていますが、わが国では、国民全体の接種率は平成12年に81.1パーセントと、やっと80パーセント台に入ったところです。一歳代では50パーセントと低く、麻しん患者の中では1歳代が最も多いことを考えると(図1参照)、この年齢での接種率を向上させることが、最も急がれる麻しん対策となっています。

予防接種は1歳になったらすぐに受けよう

 このような背景の中で、昨年11月に国の予防接種実施要領の一部が改正されました。改正前は、接種が最も効果的だとされる期間(標準接種年齢)は1歳〜2歳とされていましたが、改正後は、1歳〜1歳3カ月と時期が早まりました。もちろん、7歳6カ月までは接種は可能ですが、早期に予防接種を受けることが強く勧められています。

予防接種を受けるには

 一歳〜七歳六カ月のお子さんについては、公費で予防接種が受けられます。牛久市では、一歳の誕生日以降、すぐに麻しん予防接種を受けていただくよう誕生日に予診票を発送しています。書類が届いたら、なるべく早めに受けましょう。ただし、予防接種は、お子さんの体調やそのほかの予防接種との間隔により接種方法などが異なりますので、接種前には「予防接種と子どもの健康」を熟読し、お子さんの体調を良く知る主治医と相談しながら受けてください。予診票をお持ちでない場合や紛失した場合には、母子健康手帳を持って市保健センター窓口にお越しください。

問い合わせ 市健康管理課 電話 873-2111内線1741〜1744


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