「世界エイズデー」街頭キャンペーン


文部科学省指定(平成14年度〜16年度)牛久市エイズ教育(性教育)推進地域事業

 市が、文部科学省から3年間のエイズ教育(性教育)推進地域に指定され、2年目になりました。この事業は、授業研究部、調査研究部、啓発研究部の3つの部会を中心に研究を進め、エイズについて学校と地域、保護者が、児童生徒とともに考え学び、エイズを予防する能力や態度を育てることを目的としています。
 今回は、啓発研究部の活動を中心に、どのような取り組みが行われているかお知らせします。

1.啓発用ポスター・標語の募集

 「世界エイズデー」ポスター募集(エイズ予防財団主催)にあたり、各小中高の児童生徒に積極的に作品を応募するように働きかけ、作品を数多く出品してもらいました。優れた作品15点をポスターコンクールへ出品しました。コンクールへ出品した作品を含む優秀作品30点と、同時に募集した「エイズ予防を呼び掛ける標語」の優れた作品を、10月22日から26日に開催された「牛久市民文化祭」に展示しました。
 現在、ポスターの優秀作品は、各学校で展示され、多くの児童生徒の意識をさらに高めています。

2.エイズ予防街頭キャンペーン

 12月1日の「世界エイズデー」には、牛久一中、牛久二中、牛久三中、県立牛久高校、県立牛久栄進高校の生徒25人の協力を得て、午前7時30分から8時20分まで牛久駅の東口と西口で「エイズ予防の街頭キャンペーン」を行いました。駅を利用する市民へ、手作りのレッドリボンとパンフレットを配布する生徒たちのさわやかな声が、駅の構内に響いていました。参加した生徒の一人は「正しい知識を持つことが、患者さんにとっての一番の支えになると思います。だから、エイズのことをもっと考えてほしい」と感想を述べていました。
(写真)12月1日、牛久駅で「エイズ予防の街頭キャンペーン」を行う生徒

3.「世界エイズデー」12月1日

 12月1日は、市内の各学校でも、それぞれ工夫を凝らした「世界エイズデー」への取り組みが行われました。県立牛久栄進高校では、保健委員が全生徒と全職員分のレッドリボンを作成し、JRC(※)部が作成したプリントと共に配付しました。放送による啓発活動も実施されました。終日、レッドリボンを付けて授業に臨む生徒たちの姿が見られました。
 新聞などで報道されているように、エイズ患者やHIV感染者に対する偏見はまだまだ根強いようです。正しい知識と理解を深め、人と人が互いに思いやりの心を持ち、共存できるような社会づくりを目指し、今後も取り組んでいきます。
※ JRC…Junior Red Crossの略で青少年赤十字。少年、少女のために設けられた赤十字の一部門。

エイズ教育(性教育)の取り組み

県立牛久高校

 県立牛久高校では、学校全体でレッドリボン運動、街頭キャンペーン活動を実施しました。また、1学年では、総合学習のほか、エイズに関するアンケートとそれに基づいたホームルームでの指導を行いました。さらに、講師を招いての職員研修などに取り組んできました。文化祭でも有志の企画として、ポスターや資料の展示を行い、来場者にエイズに対する正しい理解と偏見の根絶を訴えました。
 今回は、1学年での取り組みを紹介します。
 去る10月30日、本校で家庭科、保健体育、現代社会の各教科で研究授業が行われました。
 これは、エイズに対して体・病理といった側面だけでなく、さまざまな角度・切り口から入り、中学校までの知識をもとに、自ら主体的に考え、判断・行動できる態度を育成することを目的としています。生徒は授業を通して、それまでの認識の誤りや、気付かなかった偏見を再認識し、差別の根絶の難しさを感じたようです。エイズが非常に身近な問題であり、人類にとって大きな問題であることに驚いたという感想が多かったようです。
 今後の計画としては、外部講師の方を招いて「エイズを考える高校生の集い」を計画しており、話し合いを中心とした生徒の主体的な活動を目指しています。

県立牛久栄進高校

 県立牛久栄進高校では、保健体育や家庭科、現代社会、理科(生物)、総合学習の各教科でエイズ(性)教育の取り組みを進めています。性行動が始まる発達段階としての高校生に、性やエイズに関する知識はもちろんのこと、性行動や性感染症・エイズという病気とのかかわりについて、責任ある行動選択や意志決定ができる授業を目指しています。
 今回は、10月3日の公開授業の様子を紹介します。
 保健体育では、「エイズなどの性感染症の予防」をテーマに、主に性感染症とエイズの特性や感染経路、予防法について詳しく学習しました。理科(生物)では、「生体を防御するタンパク質」をテーマに、免疫の仕組みを科学的に深めて学習しました。総合学習では、「エイズ(性)に関する行動選択(リスクを予測しよう)」をテーマに、エイズの知識や情報をもとに各ケースでリスクの低い行動選択を考えました。
 エイズに関する授業を進める中で、生徒はマスメディアからの情報や中学校で学んだエイズについての知識はあるが不十分であり、さらに詳しい具体的な知識情報をさまざまな場で繰り返し学習することが重要だということを理解したようです。
 授業に携わる真剣な教師の姿勢も大きな影響力を与えているようです。また、授業の中で仲間のさまざまな価値観や意見に触れることによって、生徒各自に確実に知識の定着や考える態度が育ち、行動選択や意志決定能力が育っているようです。

問い合わせ 市指導課 電話871-2111内線3021


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