合併に関するさまざまなご質問にお答えします


 市民意識調査および市民懇談会でいただいたさまざまなご意見やご質問に対して、紙面を使って順次お答えしています。今回は、その第18回となります。

 住民投票ということが最近の新聞などで報じられており、当市においてもこの言葉を聞くようになりましたが、詳しく教えてください。

 市町村での住民投票は、市町村が行う事務のうち、住民に直接その賛否を問う必要があると認められる事案であり、市町村と住民全体に直接利害関係がある重要な事柄について、住民の意思を問い、これによって示された住民の意思を行政に的確に反映させようとするものです。この住民投票を行う場合は、条例の制定が必要とされ、重要な事柄を全体的に規定する条例を制定するものと、個別具体的で重要な事柄について、個々に条例を制定するものとがあります。一方、地方自治法上は、市町村長の解職、市町村議会の議員の解職、市町村議会の解散の直接請求などに関し住民投票が定められています。また、市町村の合併の特例に関する法律に規定されているものに、合併協議会設置に関しての住民投票があります(6月15日号広報うしく参照)。さらに憲法でも、一つの地方公共団体のみに適用される特別法は、その地方公共団体の住民投票でその過半数の同意を得なければ、国会は、これを制定することができないとするものがあります。
 以下には、合併に関する住民投票に関し主なものについてご説明します。

○住民投票条例制定手続について

1.住民が、市町村の議会の議員および長の選挙権を有する者の50分の1以上の署名を集め、条例制定の直接請求をすることによって、市町村長はこれを市町村議会に議案として提出し、その議会の議決により条例が制定されます。
2.市町村議会議員が市町村議会へ条例議案を提出し、その議会が議決をすることにより条例が制定されます。
3.市町村長が市町村議会へ条例議案を提出し、その議会が議決をすることにより条例が制定されます。

○住民投票の時期および内容について

 住民投票を実施する時期によって、下記のように住民に問うこととなる内容に違いが出てきます。
1.合併協議会設立以前
 この時期には、合併協議の相手市町村の選択および合併協議会を設立するかどうか(合併協議会に参加するかどうか)に関して、投票をすることが考えられます。
2.合併協議会設立後合併協定書調印(合併関係市町村の合併についての最終合意成立)以前
 この時期には、合併協議で明らかとなっていく新市町村の建設計画、行政サービス、住民負担の内容を踏まえ、合併するかどうかを投票することが考えられます。そのほか新市町村の名称など個別の住民投票も考えられます。

○住民投票の成立について

 住民投票は、市町村議会議員または市町村長の選挙と同様、投票形式で行われますが、市町村と住民全体に直接利害関係がある重要な事柄について、市町村民の意思を問うということから、その投票率が住民投票の結果に重大な影響を与えます。従って、投票率に住民投票の成否を絡め、条例に何らかの規定(2分の1以上の投票により住民投票が成立するなど)を設けておくことがあります。

○住民投票の結果について

 住民投票の結果については、その後の重要事項決定を拘束する(住民投票の結果に従わなければならない)効力を認めるものと、重要事項決定を拘束せずに(市町村民全体に諮問する)、その重要事項決定にあたり結果を尊重するというものがあります。
 前者の住民投票の結果が重要事項決定を拘束するというものは、地方自治法においてそれぞれの事項について決定権者が定められており、合併に関しては、最終的に市町村議会の議決により決定するとされていることとの関連において、法的に疑義が生じることになるとされています。これに関しては、更なる議論の深まりが必要と考えています。
 後者については、住民投票の結果を尊重するということから、法的な疑義は生じないものと考えられ、多くの自治体においてこの考え方が採られています。

問い合わせ 市合併企画室電話029-873-2111内線3201