市民特派員レポート   


感動と荘厳さ  金砂大田楽(かなさおおでんがく)見物記

広報うしく市民特派員 飯塚寿子

熱気で寒さ感ぜず!人々を魅了する田楽舞

 五穀豊穣、天下太平、山間の村は車と人で埋め尽くされた!そんな感じの水府村中染会場。
 牛久市を午前四時に出発、六時少し前に着いた会場は、早くも防寒衣姿の見物客で満員状態です。座布団敷いて桟敷席で待つこと二時間。笙・ひちりきの音色と共に世話人に先導された神官が五人登場、厳かに神事が行われ、その後やっとお目当ての大田楽舞が始まりました。
 舞は四段で構成されており、猿田彦の舞・獅子舞・巫女舞・三鬼舞で、特に三鬼舞は赤鬼は松明、黒鬼は斧、青鬼は金棒を持って荒々しく舞い、護摩火をたく神猿を追い散らし、お餅を取り上げてしまうので、泣く神猿のしぐさがとてもかわいらしく見えました。
 最後に舞台からお餅や護摩木が配られると、前日の雨で舞台の周りはぬかるんでいるのもかまわず、見物人はわれ先に手を延ばし、七十二年に一度のご利益を授かろうと、ものすごい熱気でした。(写真:縁起物のお餅をもらおうと舞台に殺到する見物人)

装束華やかな時代絵巻 五百人を超す大行列

 来ました来ましたゆっくりゆっくりと、時がタイムスリップして一千百四十五年前は平安時代でしょうか。
 大世話人の長老と中染の大幟を先頭に、太刀を持った飛脚役、紋付羽織袴姿の世話人の団。水色の上下姿の青士(行列の護衛役)。天狗の面をつるしたお榊を立てた大きな賽銭箱はとても重そうでした。神社の名前の入った幟を持ったり、御神鏡や大太鼓を担ぐ烏帽子に白装束の団。馬上で先導する宮司等々。中でもひときわ目立ったのが、行列のシンボルともいえる稚児姿の馬にまたがった天童子。行列に笛や鼓で華を添える「下がり葉」の楽奏、さらに圧巻は大神輿の渡御行列でした。
 厳粛さの中にも若者がたくさん参加しているので、ユーモラスさとサービス精神が旺盛で、旺盛というより自分たちも楽しんで参加しているように感じたのは私だけでしょうか。神猿と一緒に写真を撮ったり、お賽銭箱のお榊の葉をもらったり、時には弓を構えてくれたり、私たちも十分楽しませてもらいました。
 そして感動と荘厳さを残し、行列はゆっくりゆっくり遠ざかって行きました。(写真:緊張気味な大役の天童子)