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今年の干支 羊のちょっとしたお話


 「群」という文字には羊が入っています。この文字を見ても分かるように、羊は群れをなして行動することを非常に大切にする動物です。また「平穏、安心、にぎわい」の象徴とされています。というわけで、今年の干支である羊にちなんだお話をしてみましょう。

なぜ、寝る前に羊の数を数えるの?

 あなたは、眠れないときどうしますか?読書をしたり、少量のお酒を飲んだり、音楽を聴いたりと人それぞれだと思いますが、もっと簡単な対処法に「羊が一匹、羊が二匹」と羊の数を数えるというのがあります。では、なぜ眠れないときに羊の数を数えるのでしょうか。数を数えるというのは、とても単純な作業で集中力が不用。それを繰り返すと人は段々と飽きてしまうようです。そしてすぐに眠くなるのでしょう。
 しかしそれだけではないようです。英語で羊の数を数えることをcount sheepと言います。また羊はsheep(シープ)、眠るはsleep(スリープ)。音が似ていますよね。羊が一匹でワンシープとなり、一眠いと言っているのと同じで無意識のうちに自分に催眠をかけていることになるそうです。
 そしてもう一つ。sheep(シープ)を発音するときに息をshee(シー)と吸い、poo(プー)と吐きます。そうすると自然に呼吸が整い、眠りを誘う効果があるからだそうです。

なぜ、「羊羹」に羊が

 羊羹は、日本を代表するお菓子の一つ。現在、店頭で見られる羊羹のほとんどは、寒天を使って作られる「練り羊羹」です。それ以外にも、寒天を使わずに作る「蒸し羊羹」があります。実はこの「蒸し羊羹」が、羊羹の元祖になっています。
 羊羹は本来、中国起源の食べ物で、羊の羹(羊肉の入ったとろみのある汁物)のことを言いました。
 日本に伝来したのは、鎌倉・室町時代。禅僧によってもたらされました。当時、仏教では肉食を禁じられていたため、小豆やくず粉などを使い蒸し固めて羊の羹に見立てた料理を作りました。そして、それが今の「蒸し羊羹」の誕生の基礎になります。
 羊羹がお菓子として定着したのは、砂糖の使用量が増えた江戸時代に入ってからだと言われています。

羊毛は優れもの!?

 羊毛の繊維は非常に縮れていて、一本一本必ず、クリンプ(巻き付く縮れ)があります。このクリンプは羊毛を毛糸や織物にしたとき、絡み付きを良くし、隙間を作ります。そのために羊毛織物は柔軟性、保水性、保湿性が高くなります。また羊毛は、フェルトとして使われています。これは、傷付いた毛や織物の材料にならない部分の毛を加圧して固めたものです。

ラムとマトン何が違うの?

 羊の肉で私たちが主に口にするのはラム、またはマトンです。まず、ラムは子羊の肉。生後1年未満の永久歯が生えていない子羊です。臭みが少なく柔らかいのでステーキや焼肉に適しています。そしてマトンは、2〜7歳に成長した羊の肉です。マトンはやや臭みがあるので、香草を使った料理が良いとされています。そのほかにも羊肉は年齢によって分類され、生後2カ月から3カ月をホットハウス、3カ月半から8カ月をスプリング、またラムとマトンの中間、1歳から2歳をイヤリングと言います。

想像してみて、青空に浮かんだ羊たち

 羊雲はモコモコした羊が、牧場で群れをなしているように見える雲のこと。青空に真っ白な羊が浮かんでいるのを想像すると、とてもかわいらしいですよね。
 羊雲は高さ4〜6キロメートルのところにできる高積雲のことで、気流の出会うところによくできる雲です。だから天気が崩れる前にこの羊雲が見られることが多いそうです。また、「羊雲が出ると善いことの知らせである」などとも言われているそうです。

 今年の干支の羊にちなんだお話はいかがでしたか?このほかにも私たちの周りにはたくさんの羊が潜んでいます。探してみてはいかが?


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