○牛久市太陽光発電設備の適正な設置及び管理に関する条例

令和5年12月19日

条例第28号

(目的)

第1条 この条例は、市内における太陽光発電設備の設置、管理及び撤去に関し必要な事項を定め、その適正な実施のための助言、指導等を行うことにより、事業区域及びその周辺の地域における災害の発生の防止、良好な景観の形成、生活環境の保全並びに地域住民等の生活との調和を図り、もって市民の安全と安心の確保及び地域社会の発展に資することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 太陽光発電設備 太陽光を電気に変換するために施設する電気事業法(昭和39年法律第170号)第2条第1項第18号の電気工作物であって同法律第38条第2項に規定する事業用電気工作物(これらの設備が建築基準法(昭和25年法律第201号)第2条第1号に規定する建築物に設置されるものを除く。)をいう。

(2) 事業者 牛久市において太陽光発電設備設置事業(以下「設置事業」という。)を計画し、当該設備を設置しようとする者をいう。

(3) 事業区域 設置事業を行う一団の土地(継続的又は一体的に設置事業を行う土地を含む。)をいう。

(4) 行政区等 牛久市区長設置規則(平成17年規則第41号)第1条に規定する行政区その他これに類する団体をいう。

(5) 地域住民等 次に掲げるものをいう。

 事業区域に隣接(道路向かい含む。)した牛久市内に存する土地、建築物の所有者、占有者又は土地管理者

 事業区域の境界から概ね100メートル以内の牛久市内の区域に居住する住民又は当該区域で事業を営む者

 事業区域の境界から概ね100メートル以内の牛久市内の区域に居住する住民が所属する行政区等の会長(同様の職務を担当するものを含む。)

 その他必要と認める者

(6) 着手 太陽光発電設備設置を目的とする樹木の伐採、造成工事を含む現場における工事(現地調査、測量を除く。)開始をいう。

(7) 紛争 太陽光発電設備の施設に伴って生じる、反射光、熱、騒音振動、雑草の繁茂、雨水対策、維持管理等に関する事業者等と地域住民等との間の紛争をいう。

(適用範囲)

第3条 この条例は、太陽光発電設備を土地に設置する太陽光発電事業であって、次のいずれかに該当するものに適用する。

(1) 太陽光発電設備の発電出力(送電端出力)が50キロワット以上のもの(実質的に同一と認められる事業者が近接した時期又は近接した場所に分割して設置する太陽光発電設備の出力を合計した出力が50キロワット以上となる場合を含む。)

(2) 事業区域の面積が1000平方メートル以上のもの(実質的に同一と認められる事業者が近接した時期又は近接した場所に分割して設置する太陽光発電設備の事業区域を合計した面積が1000平方メートル以上となる場合を含む。)

(市の責務)

第4条 市は、第1条の目的を達成するため、この条例の適正かつ円滑な運用に努め、そのために必要な措置を講じなければならない。

(事業者及び土地所有者の責務)

第5条 事業者及び土地所有者は、太陽光発電設備における災害時及び廃止後の措置について遵守しなければならない。

(事業者の責務)

第6条 事業者は、太陽光発電設備の災害時及び廃止後の措置に充てる費用について資産除去債務を計上し、その他撤去するための費用の確保及び計画をしなければならない。

2 事業者は、第8条に定める設置抑制区域において設置事業を実施しないよう努めなければならない。ただし、地域住民等の理解が得られる場合は、この限りではない。

3 事業者は、地域住民等に対し、当該太陽光発電設備の設置(増設を含む。)及び運用に関する理解を得られるよう、設置を計画している太陽光発電設備について説明を行わなければならない。

4 事業者は、この条例及び関係法令を遵守し、災害の防止、生活環境の保全及び自然環境の保護に十分配慮するとともに、行政区等及び地域住民等との良好な関係の保持に努めなければならない。

5 事業者は、事業を実施するに当たっては、太陽光発電設備及び事業区域を良好な状態に保持できるよう適正な維持管理に努めなければならない。

6 事業者は、太陽光発電設備に係る事故が発生したとき又は苦情若しくは紛争が生じたときは、直ちに必要な措置を講じるとともに、誠意をもってその解決に当たらなければならない。

(土地所有者の責務)

第7条 土地の所有者は、災害の発生を助長し、又は良好な景観及び地域住民等の生活環境を損なうおそれがある事業者に対し、当該土地を太陽光発電事業の用に供させることのないよう努めなければならない。

(設置抑制区域)

第8条 市長は、太陽光発電設備の設置を抑制すべきと判断した区域において設置事業を行わないよう事業者に協力を求めるものとする。

(地域住民等への説明)

第9条 事業者は、設置事業を実施する前に地域住民等に対して、設置事業の内容、工事の施工方法、安全対策及び維持管理並びに発電事業を終了した後の対応その他周知すべき事項(以下「周知事項」という。)について十分な理解を得られるように努め、説明を行わなければならない。

2 事業者は、地域住民等から周知事項について説明を求められたときは、説明会を開催しなければならない。

3 事業者は、当該設置事業の内容を記載した看板を敷地の見やすい場所に掲示しなければならない。

4 地域住民等は、この条例の目的を達成するため、市の施策及びこの条例に定める説明会等の手続に協力するように努めなければならない。

5 第1項の規定は、第16条の規定による協議の内容の変更について準用する。

(配慮事項)

第10条 市長は、この条例の目的を達成するため、設置工事及び太陽光発電の運用において特に配慮が必要な事項を配慮事項として定め、事業者に対し、適切な対応を求めることができる。

(設計の基準)

第11条 事業者は、設置事業に係る工事の設計に当たっては、設計の基準に適合するようにしなければならない。

(協議等)

第12条 事業者は、太陽光発電設備を設置しようとするときは、市長と協議をしなければならない。

(協議終了の通知)

第13条 市長は、前条の協議を終了したときは、事業者に当該協議を終了した旨を通知するものとする。

2 市長は、必要に応じて、前項の規定による通知に意見を付すものとする。

3 事業者は、第1項の規定による通知を受けた後に設置事業に着手するものとする。

(協定の締結)

第14条 市長は、前条第1項の規定による通知をしたときは、事業者に対し、太陽光発電設備の運用、維持管理及び災害時並びに廃止後の措置に関する協定の締結を申し入れるものとする。

2 事業者は、前項の協定の締結に応じるよう努めなければならない。

(工事の完了)

第15条 事業者は、第13条第1項の規定による通知を受けた設置事業の工事を完了したときは、その旨を市長に届け出なければならない。

(協議内容の変更)

第16条 事業者は、第12条の協議に係る内容を変更しようとするときは届出を行い、改めて市長と協議をしなければならない。ただし、変更しようとする内容が軽微なものであると認められるときは、協議は不要とする。

(地位の承継等)

第17条 事業者の地位を承継した者は、その旨を市長に届け出なければならない。

(報告の徴収)

第18条 市長は、この条例の施行に必要な限度において、事業者に対して、太陽光発電設備の状況その他必要な事項に関し報告を求めることができる。

2 前項の規定により報告を求められた者は、速やかに市長に報告しなければならない。

(事業者情報の掲示)

第19条 事業者は、太陽光発電設備稼働期間中、事業区域内の見やすい場所に、事業者に関する情報を掲示しなければならない。

(立入検査等)

第20条 市長は、この条例の施行に必要な限度において、指定職員に、太陽光発電設備に関係のある場所に立ち入り、太陽光発電設備の状況若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させ、又は関係人に質問させること(以下この条において「立入検査」という。)ができる。

2 前項の規定による立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があったときは、これを提示しなければならない。

3 第1項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。

(指導、助言又は勧告)

第21条 市長は、この条例の施行上必要があると認めるときは、事業者に対し、必要な指導又は助言をすることができる。

2 市長は、次の各号のいずれかに該当する者に対し、必要な措置をとるべき旨を勧告することができる。

(1) 第12条若しくは第16条の協議等をせず、又は虚偽の事実を述べて協議等をした者

(2) 第13条第1項の規定による通知を受ける前に設置事業に着手した者

(3) 第15条及び第17条の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者

(4) 第18条第2項の規定による報告を正当な理由なく拒み、又は虚偽の報告をした者

(5) 第20条第1項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は同項の規定による質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をした者

(6) 正当な理由なく前項の規定による指導に従わない者

(公表)

第22条 市長は、前条第2項の規定による勧告を受けた者が正当な理由なく当該勧告に従わないときは、当該者の氏名及び住所(法人その他の団体にあっては、その名称及び代表者の氏名並びに主たる事務所の所在地)並びに当該勧告の内容を公表することができる。

(委任)

第23条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

(施行期日)

1 この条例は、令和6年6月1日から施行する。

(経過措置)

2 この条例の施行の日前に工事に着手している設置事業、この条例の施行の際現に実施している太陽光発電設備設置事業及び茨城県の太陽光発電施設の適正な設置・管理に関するガイドラインに基づく事業概要書を提出している場合は、第9条及び第11条から第17条までの規定は適用しない。

牛久市太陽光発電設備の適正な設置及び管理に関する条例

令和5年12月19日 条例第28号

(令和6年6月1日施行)